黒地にホワイトハウスを象徴する建物が描かれ、その屋上の4本の煙突から放出された大量の赤い新型コロナウイルスが、「TIME」の4文字を覆い尽くそうとしている。これは米誌タイムの最新号の表紙だ。ホワイトハウスの政治家による職務怠慢や職責不履行のために、米国内の流行は制御不能となり、ウイルスが国内の至る所にまで広がっていることを、世界に向けて示している。

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米国ではこの1週間、新型コロナウイルスの1日の新規感染者数が平均4万6000人を超え、その前の週と比べて12％増加している。ホワイトハウスとペンタゴン（米国防総省）でも感染者が発生した。これは、米国の政治家が、科学よりも政治、生命よりも私利をそれぞれ優先させたことによるブーメラン効果であり、感染症対策が「徹頭徹尾失敗」したことの証左でもある。医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンは8日付で発表した「リーダーシップの空白がもたらす死」と題した社説で、新型コロナウイルスが引き起こした危機は、リーダーシップに対する「テスト」であり、米国の政治家たちはそのテストに失敗し、危機を悲劇に変えてしまったと指摘している。同日には、米国立衛生研究所元職員のリック・ブライト氏も、米紙ワシントン・ポストへの寄稿で、米連邦政府は感染症を政治化し、おびただしい数の米国人の死を招いたと批判している。

米国の半年余りの感染症との戦いを振り返ると、米国政府の感染症対策の下地となっているのは「政治的私利至上」で、科学や真相は「品薄」となり、うそと誤った情報がまん延している。これが、米国で21万人以上の命が失われ、760万人以上がウイルス感染に苦しんでいる根本的な原因だ。米国の政治家は一貫して、新型コロナのリスクを軽く見せようとし、真相を隠し、誤った情報を広め、うそをでっち上げて世界保健機関（WHO）に責任を転嫁し、中国を中傷し、同盟国さえも見逃すことはしなかった。

しかし、米国人にとって、本当の闇はまだ来ていない。米国の感染症専門家、アンソニー・ファウチ氏は、秋冬シーズンの防備がまずければ、新型コロナウイルスによる米国の死者が40万人に達する可能性があると警告している。リック・ブライト氏も、「米国は現代史上最も暗い冬に入りつつある」と警告している。米国の政治家は本当に、この災禍をワシントン・ポストのいう「国が許した殺りく」に変えたいのだろうか。（CRI論説員）