アメリカ映画が中国で失速? 実写版「トムとジェリー」が苦戦

華流    2021年3月2日(火) 10時1分

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2月26日から中国で上映が始まった実写版「トムとジェリー」の興行収入が伸び悩み、米国映画の人気低迷を指摘する声が上がっている。そこで、これまでの興行収入から中国映画と米国映画の形勢を振り返ってみる。

子供から大人までみんなに愛されてきた米国の名作アニメ「トムとジェリー」。その絶大な人気を背景に、放送開始から80周年という節目に、ハリウッドが実写版映画を送り出した。しかし中国では意外な苦戦を強いられ、米国映画の人気が低迷しているのではないかとの見方が広がっている。

実写版「トムとジェリー」は、2月26日に中国の映画館で上映が開始された。CGを駆使し、アニメと実写を融合させたこの作品は、「顔が変形するほどおもしろさ満載」とPRされてきたにもかかわらず、上映開始後3日間の興行収入は8000万元(約13億円)と低迷。このままでは、最終的な興行収入はせいぜい10億元(約165億円)程度だろうとの見方が広がり、関係者から落胆の声が上がっている。

本当に米国映画の人気は低迷しているのだろうか? 中国での歴代興行収入トップ10の映画を見てみると、6位の「アベンジャーズ/エンドゲーム」を除いて、すべて国産映画が占めている。また、ランキングをトップ20に広げても、米国映画は「アベンジャーズ/エンドゲーム」に加え、「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」、「ワイルド・スピード SKY MISSION」、「ワイルド・スピード ICE BREAK」の計4本だけだ。

トップ20に入った米国映画はすべてシリーズ作品で、第1作から見てきた根強いファンに支えられているが、それ以外の映画は新規の観客獲得に苦戦する傾向が見られる。さらに、世界の歴代興行収入1位の「アベンジャーズ/エンドゲーム」でさえも、今年の春節期間に上映された「僕はチャイナタウンの名探偵3」に、中国での興行収入トップの座をあっさりと奪われてしまった。

かつて中国で大成功を収めた米国映画といえば、1997年の「タイタニック」(興収3億8000万元、約63億円)、2009年の「アバター」(興収13億元、約215億円)など。これらの興行収入は当時の中国映画にとって手の届かない存在だった。しかし、2016年のチャウ・シンチー(周星馳)監督の映画「人魚姫」で形勢が逆転。この映画の興行収入は34億元(約560億円)に達し、国産映画が米国映画を上回った。また、2020年は新型コロナの影響で、世界の映画産業が打撃を受けるなか、中国はいち早い回復を見せ、国産映画はヒット作を連発した。その結果、中国は初めてアメリカに代わり、世界最大の映画市場となった。

中国だけではない。昨年「パラサイト 半地下の家族」が大ヒットした韓国、「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」が大ヒットしたアニメ大国・日本など、自国の映画産業が強い国では、ますます米国映画の影響力が低下していくのではないだろうか。常にトップを走ってきた米国映画にとって、楽観できない状況が今後も続くと見込まれる。

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