動画アプリでの著作権侵害が横行する中国。俳優500人超が取締り強化を要請

華流    2021年4月26日(月) 22時17分

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TikTokや快手など、個人が動画を作成・アップロードできるショートムービーアプリで横行する著作権侵害に対し、俳優や映画会社などが総出でその保護を目的とする「提案書」を発表した。写真はディリラバ。

4月23日夜、17の映画関連協会と54の映画会社、5つの動画配信プラットフォーム、そして500人を超える俳優が共同で、映画やドラマの著作権に関する「提案書」を発表し、大きな注目を集めている。

この「提案書」は、映画とドラマ作品の著作権を保護し、産業の持続的発展を目的とするもの。その内容は、ショートムービーアプリの運営元とビデオブロガーに対して、許諾無しでアップロードされている映画やドラマの紹介動画や合成映像、メイキングシーンなどを即座に削除することをはじめ、著作権意識を向上させ、著作権者への尊重を呼びかける5つの項目からなる。

署名したのは、チャオ・リーイン(趙麗穎)、ディリラバ(迪麗熱巴)、シャオ・ジャン(肖戦)、リー・ビンビン(李冰冰)、ヤン・ズー(楊紫)、ゴン・ジュン(龔俊)、ヤン・ミー(楊冪)など、514人に上る俳優たち。これにより、彼らは芸能界における著作権侵害行為に対する態度と、その保護に取り組む姿勢を明確に示した形となった。

芸能界総出ともいえる今回のアクションに対して、中国共産党宣伝部の著作権管理局は、関連する違反行為に対する取締りを強化し、支持する意向を示した。

このような事態に至った背景について、業界関係者は「ショートムービーアプリで横行しているいくつかの行為は明らかに著作権違反に当たるが、その本質をいえば、ショートムービーアプリと動画配信プラットフォームとの間の競争が原因だ」としている。

別の関係者は、「長期的に見ると、勝つのは動画配信プラットフォームの方。ショートムービーアプリに投稿されているコンテンツのソースは、動画配信プラットフォーム上の公式アカウントから放出されている映画やドラマ、芸能番組だ。オリジナルコンテンツを生み出せないショートムービーアプリは間違いなく大打撃を受ける」と断言した。

現在中国で人気があるショートムービーアプリは、TikTok、梨視頻、西瓜視頻、快手など複数あり、ユーザーは数億人にも上る。今後、厳しい取り締まりによって人々の著作権意識が向上し、違反行為は減少するのか。また、動画配信を巡って、正統派の動画配信プラットフォームと派生形のショートムービーアプリの間で、「パイ」がどのように分割されていくのか。今後の動きから目が離せない。

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