原油価格下落、今後1年程度続きバレル20〜30ドルへの大幅ダウンも=中国は急速に高齢化が進む―国際協力銀行総裁

八牧浩行    2015年1月27日(火) 5時49分

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26日、国際経済に詳しい渡辺博史国際協力銀行総裁は日本記者クラブで記者会見し、原油価格が1バレル当たり50ドル前後に下落していることについて、「下落傾向は今後1年は続く」と予測した上で、「1バレル当たり20〜30ドルに下落する可能性もある」と語った。

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2015年1月26日、国際経済に詳しい渡辺博史国際協力銀行総裁(財務省元財務官)は日本記者クラブで記者会見し、原油価格が1バレル当たり40ドル台に下落していることについて、「下落傾向は今後1年は続く」と予測した上で、「1バレル当たり20〜30ドルに下落する可能性もある」と語った。また中国経済について「日本と同様高齢化が速いスピードで進行する」との見通しを明らかにした。発言要旨は次の通り。

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原油価格の下落傾向は、サウジアラビア、UAE(アラブ首長国連邦)など湾岸の主要生産国が、新興原油開発をけん制する政治的な思惑もあって、減産しないため今後1年程度は続く。サウジは1バレル当たり13ドルになってもコスト割れにならないといわれ、石油関係者の間では20〜30ドルに下落するとの予測さえある。

原油安が進むと、エネルギー関連企業の業績が落ち込んだり、開発プロジェクトの採算が悪化したりする可能性がある。石油産出国のロシア、インドネシアなどへの影響は甚大である一方、インドなど石油輸入国は恩恵を享受している。ただロシアは基金が4年分あるほか外貨準備も3年分ぐらい保有しているため貿易収支が単年度赤字になっても持ちこたえられる。日本や米国などでは、エネルギー石油開発会社やパイプライン需要縮小に伴い鉄鋼メーカーなどが影響を受ける。

世界経済は、欧州でギリシャ問題が顕在化し、「イスラム国」やシリア、イランなどで「アラブの嵐」が吹き荒れている。米国経済は比較的順調だが、所得格差が拡大し、中間層が極端に縮小していることが課題となる。中国も日本と同様、急速に高齢化が進行。5年後には人口13億人のうち6億人を働く世代が支えなければならない時代が到来する。(八牧浩行

■筆者プロフィール:八牧浩行

1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。東京都日中友好協会特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著・共著に「中国危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外国為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。

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