Record China 2015年2月13日(金) 10時47分
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10日、元人民日報論説委員の馬立誠氏は、「エリートたちが自分の目的のためにナショナリズムをあおり、国に危険をもたらしている」と述べた。写真は函館。
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2015年2月10日、元人民日報論説委員の馬立誠(マー・リーチョン)氏は、「エリートたちが自分の目的のためにナショナリズムをあおり、国に危険をもたらしている」と述べた。以下はその内容。
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戦争が近い時代のものであれば、恨みは生々しく記憶され、遠くなれば次第に薄れていく。中国は元の時代に2度日本を侵略したが、今そのことが話題に上ることはない。あまりにも遠い出来事だからだ。トウ小平は自ら抗日戦争を経験したにもかかわらず、過ぎ去ったことは過去のこととする、とまで述べた。
しかし、今日になってそれが過ぎ去ったこととできないのは道理に合わない。筆者は、ナショナリズムのために日中関係に多くの困難がもたらされているのだと考えている。エリートたちは自らの目標を達成するために大衆のナショナリズムをあおり、国に危険をもたらすのだ。
テレビをつければ、大量の抗日ドラマが放送されている。ストーリーも退屈で、恨みを植え付けるだけのものがある。1978年、日本を訪問したトウ小平は、日本の映画を中国で上映するよう求めた。それにより、「君よ憤怒の河を渉れ」、「おしん」、「人間の証明」、「赤い疑惑」、「鉄腕アトム」、「一休さん」などの作品が中国に持ち込まれた。「君よ憤怒の河を渉れ」を観た人々は、誰もが高倉健のファンになった。だが、現在中国で日本映画を上映する映画館はなくなってしまった。トウ小平の時代から大きく後退してしまっている。
昨年、日本の映画「貞子」が中国で上映されるというニュースがあったが、多くの人が携帯のメッセージで「この映画を観る奴は売国奴だ」というメッセージを受け取ったという。日本映画を観ることがなぜ売国になるのだろうか。日中両国は敵ではなく、戦略的パートナーなのである。2012年8月、9月の反日デモでは、長沙や青島で放火や破壊行為、略奪などが起こり、中国の国際イメージは大きく下がった。2014年も日中関係は緊張を続けていたが、日本は中国の若者に人気の旅行先となった。春節期間中、中国から日本を訪れる人は4倍になり、東京の三大百貨店は売り上げが5倍以上になったという。中国の若者は日本メディアの取材に対し、「国同士のケンカにはうんざり。日本文化と日本製品が好きだ」とコメントしていた。私はここに希望を見出している。(翻訳・編集/岡本悠馬)
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