2015年2月16日、オーストラリア紙シドニー・モーニング・ヘラルドは、「収入のプレッシャーにさらされる中国の中産階級の夢」と題した記事を掲載した。以下はその内容。

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中国は各国に対し、経済成長の鈍化を心配する必要はないと言っている。膨大な数に上る消費者たちの都市化を進めるという、万全の策を取っているというのがその理由だ。

確かに、2008年に打ち出した経済刺激策は、世界経済にとって最も重要なグループである中産階級ではなく、新たに都市に流入した住民を豊かにした。経済調査会社のガベカル・ドラゴノミクスでアナリストを務めるアーナン・ツイ氏は「他国と同様、中国の消費を引っ張っているのは中産階級だが、彼らの収入が伸び悩んでいる。2015年、彼らの収入が、経済と同様落ち込むことがあれば、中国の消費状況は残念な結果になるだろう」と語った。

08年の経済対策で、低所得者層の収入は中産階級を大きく上回る伸び幅を見せた。もちろん、低所得者層が貧困を脱することは喜ばしいことだ。ここ6年で、中国の貧富の差は縮まり続けている。

だが、中国で今必要とされているのは安価な炊飯器を買う人々ではなく、フラットテレビやiPhoneを買い、スタバのラテを飲む経済力を持ち、内需をけん引する中産階級だ。しかし、今年1月、中国の輸入は昨年同期比で19．9％減少している。

ツイ氏は、2015年は中国の消費は大きく鈍化すると予測している。中国は建築や製造業への投資を減らし、中小企業への支援を拡大するべきだろう。優先されるべきなのは中産階級を豊かにすることである。（翻訳・編集/岡本悠馬）