中国は欧州や日本の紙幣増刷合戦には加わらず―中国メディア

Record China    2015年3月29日(日) 0時46分

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26日、欧州と日本は通貨供給量をさらに増加させ、経済回復の歩みを加速しようとしている。中国人民銀行もここしばらく、預金準備率や金利の引き下げを続けざまに打ち出し、各種の革新的なツールを繰り出して市場への流動性供与を図っている。写真は人民元。

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2015年3月26日、欧州と日本は通貨供給量をさらに増加させ、経済回復の歩みを加速しようとしている。中国人民銀行(中央銀行)もここしばらく、預金準備率や金利の引き下げを続けざまに打ち出し、各種の革新的なツールを繰り出して市場への流動性供与を図っている。このため中国が欧州や日本に追随して紙幣増刷合戦に加わるのではないかと推測する声がある。人民日報海外版が伝えた。

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中国人民銀行の周小川(ジョウ・シャオチュワン)総裁はこれについて、「中国が比較的緩和された通貨政策を取りつつあるとの声もあるが、我々が選んでいるのは依然として穏健な通貨政策であると認識している」と語った。別の専門家も、「中国経済は『三期畳加』(経済成長率のギアチェンジ期、構造調整の困難期、刺激策の消化期の3つの時期のオーバーラップ)と呼ばれるカギとなる段階にある。世界の通貨供給拡大の流れを前に、中国は気を緩めることなく、穏健な通貨政策を引き続き実施し、緩和と引き締めの程度に注意し、事前調整や微調整を適当な時期に適度に行っていかなければならない」と語った。

▼金融政策には頼れない中国の構造調整

昨年末から現在まで、中国経済の下方圧力は高まり続けている。流動性不足を緩和するため、中央銀行はしばらく前、新たな流動性管理と融資総量管理のツールを繰り出し、金利と預金準備率も引き下げた。

これらのツールは、通貨供給量を増加させるものだが、総量と速度から見て、中国の通貨政策は依然として穏健なものと言える。周総裁によると、これらのツールの使用量は以前より大きくなったが、中国経済全体やGDPも以前よりはるかに大きくなっている。そのためこうしたツールの使用による融資拡張の速度や通貨供給総量の拡張の速度は、名目GDPの拡張速度より2、3ポイント高いにすぎない。こうした量の制御はかなり穏健と言えるもので、経済刺激計画の時期の拡張幅を大きく下回っている。

金融緩和政策は一時的に経済を刺激することはできるが、経済の問題を根本的に解決することはできない。オランダに本拠を置く「ラボバンク」のアジア太平洋金融市場研究部のMichael Every代表は、「中国経済は現在、債務の高止まりやデフレなどのリスクに直面している。これらの問題は系統的なものであり、周期的なものではない。そのため通貨政策は、有効な解決の手段ではなく、短期的な経済の不調を一時的に緩和するものでしかない」と分析する。

「新常態(ニューノーマル)の下での穏健な通貨政策は、経済成長を支えると同時に、構造改革を促進するものでなければならない。過度な緩和政策は構造改革に不利となる」と周総裁は語った。(提供/人民網日本語版・翻訳/MA・編集/武藤)

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