中国人営業マンが日本旅行で感じた日中販売業の違いとは?―中国メディア

Record China    2015年4月2日(木) 5時14分

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27日、春節(旧正月)期間、日本で思う存分観光を楽しんだ。今回の旅の目的は、温水洗浄便座や電気炊飯器、ドライヤーのためではなく、単にリラックスしながら休暇を過ごし、日本の空気を堪能することだった。写真は銀座。

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2015年3月27日、春節(旧正月)期間、日本で思う存分観光を楽しんだ。今回の旅の目的は、温水洗浄便座や電気炊飯器、ドライヤーのためではなく、単にリラックスしながら休暇を過ごし、日本の空気を堪能することだった。しかし、日本に到着してからというものの、他の観光客と同様、ずっと絶え間なく買い物をし続けていることに気が付いた。最も重要なのは、これが、日本式販売の成功を示すもので、大いに勉強になったことだ。

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◆日本のきめ細やかな販売サービス、その凄さはどこにあるのか?

日本で中国人ガイドが言ったある一言が車中にいたすべての人の記憶に深く残った。「日本には偽物はないので、安心して買い物をしてください」。

ガイドのこの一言はまさに中国人消費者の心理を突いたものだった。中国人の「偽物や粗悪品」に対する慎重な態度は、「メイド・イン・ジャパン」の「絶対本物」という信頼に対する飢餓感であり、この信頼の下で中国人消費者は思う存分安心して買い物することができるのだ。

中国人消費者が日本で買い物をする第2の要因は、「メイド・イン・ジャパン」の精緻さや細やかさにある。これは、日本のきめ細やかな販売サービスにも体現されている。

日本旅行中国人観光客がこぞって買うのは便座や電気炊飯器だけではない。さらに多くの人は、コンビニで大量の歯ブラシや歯磨き粉、爪切り、液体バンソウ膏、さらにはラバーカップまで購入している。「メイド・イン・ジャパン」でさえあれば、中国人がこぞって買う可能性は何にでもある。これはなぜなのか?日本製品のきめ細やかな販売サービスが中国人の防御心を徹底的に払いのけ、「やはり日本製は違う」と感じさせるからだ。

▼実例

私は、ある店で携帯ストラップを一気に10個購入した。すると店員は大きめの袋を一枚私に渡し、その後小さな袋を10枚くれた。さらに、ある店でチョコレートを20個買うと、店員はチョコレートを大き目の袋にまとめて入れ、さらに小さな袋を20枚くれた。このような細やかなサービスは、中国ではどんなスーパーでも体験することはできないだろう。しかし、日本ではどんなに小さな店へ行っても体験することができる。これが、日中間の販売サービスの違いだ。

◆中国人消費者の取り込みの成功は、本当にきめ細やかな販売によるものなのか?

きめ細やかな販売サービスは本当にそんなにも効果があるものだろうか?実は、そうではない。本当に威力を発揮しているのは、日本企業の製品に反映された創意・工夫だ。これは、完全にユーザーの視点から出発して、ユーザーの課題を解決するために行われている。

▼実例1

日本を旅している間にテレビを見ると、日本語がわからないためいつも眠気に襲われた。それでも、自分がテレビショッピングの番組を見るのが1番好きであることには気が付いた。商品を説明する言葉は聞き取れないが、驚くことに、商品を実演する映像を見ていると、どんな商品にも独特でユニークなところが見つかるのだ。

よくよく思い返してみると、番組では完全にユーザーの視点に立った商品解説が行われていた。大事なのは、ユーザーが気になる点が何なのかを理解し、それをわかりやすく実演してみせることで、ストレートに視聴者の心を捉えるのだ。

▼実例2

もし日本に行けば、高速道路でサービスエリアに寄るはずだ。中国では、サービスエリアは通常必要性がなければ行かないほうがいい場所だが、日本では毎回1、2時間でも過ごせる場所だ。いずれのサービスエリアに入っている店も非常に特色があるからだ。

同じ商品でも、名古屋には名古屋バージョン、大阪には大阪バージョン、東京には東京バージョンといったように地域限定品や数量限定商品が売られている。もしその商品を気に入れば、訪れた場所ごとに買いたくなってしまう。このように各店舗はユーザーの需要を敏感に察知し、特色ある商品を開発している。

日本の人口密度は高く、面積は狭いため、生活の利便性に対する要求は高く、中国とは明らかに異なる販売の仕組みが構築されている。コンビニエンスストアは全国津々浦々にまで普及し、小売業は非常に発達している。

いわゆる小売業の発展とはどういうことを指すのか?現代生活の中で最も体現されているのは、ユーザーとの距離が近いという点だ。日本の小売業のシステムは、ユーザーとどのように向き合うかを考慮しているのであり、消費者に向けて如何に販売促進するかや販路といかに向き合うかを考慮しているのではない。

◆日本と比較した場合、中国市場で常に犯される間違いは何か?

中国ブランドが市場と向き合う時、通常中国の親が良く取る思考・行動パターンで物事を考え実践していく。自分の考え方でユーザーを想定し、自分の表現方法でユーザーの心を捉えようとし、さらにユーザーとコミュニケーションを取るという前提条件で、「私は、ユーザーより製品のことを理解している。私は正しい。ユーザーは受け取るだけでいい」と考える。

日中間の差はここにある。なぜなら、中国企業はユーザーが本当に必要としていることがわかっていないからだ。中国企業が市場を失ったのは、中国企業がユーザーを失ってしまったからだ。

◆中国の販売に欠けているもの

企業として本当の意味で試されるのは、ユーザーが本当に必要としている製品を提供できるかどうかだ。企業の規模が大きくなるにつれ、必要とされない製品もますます高く積みあがっていく。これらの大企業は高いところから見る景色に慣れてしまっている。今必要とされているのは如何に地域に適したモノ作りをしていくかだ。

中国企業はこれまで継続可能な販売方法に着目し過ぎていた。できるだけ多くの幅広いユーザーに向けて共通で使用し、販売することに注力してきた。しかし、長期的に見れば、現在であろうと過去であろうと、中国の販売業に最も欠けているものは、リアルタイムで、効果的な販売方法だ。(提供/人民網日本語版・翻訳/MZ・編集/武藤)

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