月収15万円でも足りない大都市・北京での暮らし、天国か地獄か?―中国紙

Record China    2015年4月15日(水) 15時9分

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14日、中国のSNSにこのほど、「月収8000元(約15万2000円)で、北京でどうやって暮らせば良いの?」という投稿があった。写真は北京の地下鉄。

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2015年4月14日、中国のSNSにこのほど、「月収8000元(約15万2000円)で、北京でどうやって暮らせば良いの?」という投稿があった。社会保険料、家賃、食費、交際費、両親への仕送りなどを差し引くと、8000元の給料がわずか384.9元(約7300円)しか残らなかったという。しかも、これはかなり「切り詰めた」生活を送った場合だ。人民日報が伝えた。

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投稿者の計算は突飛なケースではなく、合理的と言えるだろう。北京、上海、広州などの特大都市は確かに生活コストが高く、稼ぎも多いが支出も多い。それは、東京やニューヨークといった世界の他の特大都市でも同じことだ。大都市に住むのはたやすいことではない。食費も家賃も交際費もかさむ。そこには、人口の密集と資源の不足という矛盾が隠されている。大都市にはチャンスもあふれているが、競争も熾烈だ。発展の可能性は大きいが、「北京、上海、広州は涙を信じない」という残酷さとも隣り合わせだ。「人の集まるところにお金が集まる」効果も期待できるが、「大木の下に小木育たず」という現象も見られる。多くの人にとっては、北京、上海、広州を脱出するというのも、経済学的に見て良い選択なのかもしれない。収入と生活コストを比べてみると、他の都市の方が割が良い場合もある。故郷に帰って仕事を続けることの「コストパフォーマンス」も、近年確かに高まっている。どの橋からでも川を渡れるのに、一番混んでいる橋に突っ込んで行く必要はない。

しかし、投稿者の計算には問題点もある。まず、これはある時点に限定した静的な計算結果であり、将来的な収入の増加分を計算に入れていない。卒業したての大学生は、どこで就職したとしても最初のうちは労働力としての価値がそれほど高くないため、「生活に苦労する」時期があるものだ。5年単位、あるいは10年単位で見てみるとどうだろう?北京、上海、広州はチャンスも多いため、ステップアップできる人も多い。創業に成功する人、管理職に就ける人、お金をこつこつ貯めて、資産運用を始める人。仕事を始めたばかりの頃は辛いかもしれないが、それほど心配しすぎる必要はない。

それに、人間はお金が全てではない。人生の目標は「経済の最大化」ではない。これは大げさでもなんでもなく、周りにもそういう選択をしている人が少なからずいるはずだ。他の都市に行っても給料は減らないが、大都市での仕事が自分に合っているという人もいる。大都市は発展のチャンスが多いだけでなく、生活環境、人との付き合い方、生活圏などにも独特な魅力がある。30年後の自分が簡単に想像できるような安定した生活を嫌い、多少不安定でも新鮮な大都市の生活が良いと感じる人もいる。筆者のある友人に至っては「中国国家図書館の膨大な蔵書と北京人民芸術劇院の舞台劇『雷雨』のために、北京に残る」と言ってはばからない。人は霞を食べて生きるわけにはいかないが、金を重視しすぎて、金に溺れてもいけない。

大都市に残るにしても、離れるにしても、人それぞれ状況が違う。一人ひとりの選択が尊重されるべきだ。北京、上海、広州は天国でも地獄でもない。奮闘努力して初めて成功が得られる希望の地なのだ。(提供/人民網日本語版・翻訳/SN・編集/武藤)

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