「残業文化」と決別しようとする日本、変革を阻害する要因は?―中国紙

Record China    2015年4月21日(火) 18時37分

拡大

15日、日本の会社員が残業文化と決別する。それは、簡単なことではない。今月初旬、日本政府は管理職以外のホワイトカラーの労働時間規制を適用除外にする「高度プロフェッショナル制度」を導入した「労働基準法改正法案」を閣議決定した。

(1 / 2 枚)

2015年4月15日、日本の会社員が残業文化と決別する。それは、簡単なことではない。今月初旬、日本政府は管理職以外のホワイトカラーの労働時間規制を適用除外にする「高度プロフェッショナル制度」を導入した「労働基準法改正法案」を閣議決定した。これは、職場環境を改善し、業務効率を高め、日本人が徐々にサービス残業をしなくてもすむようにするための施策の一つだ。しかし、この目標を実現するのは容易なことではない。環球時報が伝えた。

その他の写真

■日本政府、「残業禁止」を推進

日本政府は「残業問題」に対して多くの措置・政策を採っている。報道によると、安倍首相は公務員に模範を示すことを求め、「夏の生活スタイル変革」を推進するほか、政府各部門の職員に朝方勤務と早期退庁を奨励している。また、職員の業務効率を高め、超過労働の問題を改善するため、厚生労働省は率先して職員の残業を禁止する取り組みを始めた。退庁時間になると、総務部はオフィスの主電源を切り、強制的に職員を退庁させる。このほか、社内LAN・インターネット環境を利用して、「フレックスタイム制」を導入する企業もますます増えている。

■一生懸命働いても、仕事効率は低い

残業は日本特有の企業文化であり、生活スタイルだ。日本では、残業は「勤勉」と見られ、毎日遅くまで残業をしている人は出世のチャンスや称賛を得やすい。また、「集団主義」文化は、自分の仕事が終わった後も、上司や同僚の仕事が終わるのを待って一緒に退社させることを従業員に強いる。しかし、一生懸命働いても、業務効率は低い。2013年、日本の時間当たりの労働生産性は41.3ドル(約4900円)で、ノルウェーの半分にも至っておらず、OECD加盟34カ国中20位だった。オーストラリア主要紙のオーストラリアン電子版は、「日本人が仕事熱心なのは世界的にも有名だが、効率の低さや官僚スタイルも同様に有名だ」としている。

長時間残業によって日本の出生率も下がっている。分析によると、多くの女性の社会的活躍は残業によって阻まれている。長時間労働は女性に子育てと仕事の両立を不可能にさせている。母親は往々にして仕事を辞めざるを得ないか、最初から子供を作らないことを選択する。また、一般的に、日本の父親は家庭教育において役割を担っていない。そのため、日本政府は少子化対策の中に、6歳未満の子供を持つ男性が毎日平均2時間の育児・家事の時間が確保できるようにする「ワークスタイル変革」に向けた取り組みを盛り込んだ。

■残業との決別は、経済発展を促す傾向にある

日本企業(中国)研究院の陳言(チェン・イエン)執行院長は、「第2次安倍内閣が発足してから、国民生活と企業効率の問題が重視され始めた。現時点では、日本政府の残業構造改革への決意は比較的固いように見られるが、まだ改革の余地もある。例えば、企業の課長以上の管理職や、年収1000万円以上の人の残業は労働時間規制の適用除外になっている。日本社会のエリート層はより多くの責任を負うべきだからというのがその理由だ」と説明する。

陳言氏は、「多くの大企業の従業員は昼間やるべき仕事を夜に持ち込んで残業している。集団性が重んじられる日本の社会では、集団的行動に合わせて、仕事が終わっても、退社しない人もいる。しかし、現在、多くの若者は「残業文化」を受け入れられなくなってきている。一方、中小企業における残業は仕事が終わらず仕方なくするものだ。全体的に見れば、残業との決別は、日本企業の経済発展を促す傾向にあると言えるだろう」と分析する。

中国社会科学院日本研究所の盧昊(ルー・ハオ)氏は、「日本のビジネス文化や企業内部の環境は、今でも伝統の慣性が非常に強く働いている。集団を尊重し、体系の中の自分自身の役割を気にする日本人からすると、仕事は社会的な尊厳をもたらすもので、残業は福利の意味だけでなく、評価や重視を受けることを意味する。そのため、政府の強制的な政策が短期間内に日本人の「残業文化」を変化させることは非常に難しいと思われる。しかし、別の面では、大きな社会環境と世代交代が、「一生懸命働き、徹底的に会社に尽くす」という旧時代の精神をぐらつかせ始めている」という見方を示した。(提供/人民網日本語版・翻訳/MZ・編集/武藤)

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携