Record China 2015年6月2日(火) 13時56分
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26日、熱血アニメは一貫して日本の「アニメ文化外交」の切り札だった。しかし、21世紀に入ると、日本の熱血アニメに大きな変化が見られるようになった。資料写真。
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2015年5月26日、熱血アニメは一貫して日本の「アニメ文化外交」の切り札だった。しかし、21世紀に入ると、日本の熱血アニメに大きな変化が見られるようになった。この変化は深く広範囲にわたっており、そこには作品の世界観やテーマの思想が体現されている。アニメの観点から日本を見ると、この変化は大げさなものだとは絶対に言えない。実際、新時代の熱血アニメはマジックミラーのように、我々に日本の国際的地位の変化を捉えさせ、国家のイメージ構築の重要な転換点をはっきりと示している。光明日報が伝えた。
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■熱血アニメの「熱血」は過去のもの
我々の記憶の中にある日本の熱血アニメといえば、すべて強気な姿勢を示したものだった。漫画家・鳥山明の「ドラゴンボール」(1984)が登場して以降、「7つのドラゴンボールを集めると、願いを叶えてくれる神龍を呼び出すことができ、宇宙を制覇できる」といった類の「世界制覇思想」が、熱血アニメの中に蔓延し始めた。その後、90年代からは、政府が打ち出した「マンガ外交」や「クールジャパン」の政策による支援を追い風として、多くの熱血アニメが海外に進出し、世界各地に広まっていった。
海外でも人気の「ハンター×ハンター」(1998)、「シャーマンキング」(1998)、「NARUTO」(1999)などの熱血漫画も世界制覇を達成し、王座を手に入れるというテーマが描かれている。「スラムダンク」(1990)は、スポーツ界で王者になるという熱血スポ根漫画の金字塔だ。その後に出現するこれと類似したアニメ・漫画もすべて「日本一」を目標としている。
■攻めから守りの姿勢に転換した日本
「銀魂」(2004)や「進撃の巨人」(2009)、「東京喰種トーキョーグール」(2011)の中では、21世紀の日本の熱血漫画がかつての才能や強さを誇示する強気な姿勢を放棄し、小心なほどに注意深く自陣を守る姿勢に変わったことに気付いて驚かされた。これらのアニメには、日本人の文化の中に深く浸透している「物の哀れ」や「宿命論」といった悲観的で厭世的な人生観が極限まで発揮されている。このタイプの新型熱血漫画・アニメでますます激しさを増す攻めと守りの逆転は日本の国家イメージにも変化が起こりつつあることを暗示しているのではないだろうか?
ポスト「スラムダンク」と称される「黒子のバスケ」(2008)は、現代の日本の熱血アニメを非常に良く表している。あるいは、現代の日本における「強さ」の定義を示していると言える。その理由は、主人公のキャラクターの設定に隠されている。
一つには、主人公の黒子哲也は極めて影が薄い人物だという設定にある。黒子は自分の存在感のなさを利用して、チームの中継役を務め、他のチームメートにパスを出すことに徹する。
二つ目には、黒子の目標は自分が「日本一」になることではなく、米国から帰国したチームメート、火神大我を「日本一」にさせるというものだ。事もあろうに、このように存在感がなく、特別な才能もほぼなく、野心や志にも欠けたキャラクターが熱血漫画・アニメの主人公なのだ。
「黒子のバスケ」は漫画だけでなく、アニメも広く人気を博した。しかし、このことが、日本が弱音を吐いたことを証明していると言えるだろうか?むしろその逆なのではないだろうか。よく観察してみると、一見したところ、控えめで、影が薄く、単に他のチームメートの背後でサポートに回る黒子哲也は非常に軟弱で無力に見えるが、実際には黒子はチームメート全員を結ぶ中継役となっている。もし黒子がいなければ、チームが常に勝利を得る可能性はほぼ失われてしまうだろう。黒子がほかのチームメートに依存しているのではなく、他のチームメートが黒子に依存しているのだ。
■言葉で言い表せないものこそ、「強さ」を示す
黒子哲也の強さは一見わかりにくく、言葉では言い表せないものだ。しかし、他に替えが効かない選手であることは誰も否定できない。これはまるで新たに描かれた新世紀の日本の寓話のようだ。「世界制覇」や「発展、強化」というかつての日本のイメージに執着することを止め、自分の存在感を消し始めた。まるで黒子哲也と同様に、血を流して戦うよりも、各国にとって欠かすことができないサポート役として、重要な中継としての役割を発揮しようとしているようだ。
言葉で言い表せない強大なものに襲われたことから、防衛に回り、再び自分を言葉で言い表せない強大なものに変えて、四方を威嚇する。おそらくこれが、新型熱血漫画・アニメの中に隠された日本の国家イメージなのかもしれない。(提供/人民網日本語版・翻訳/MZ・編集/武藤)
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