映画ドラえもん、中国で大ヒットの理由は「中国人の青春そのもの」―中国紙

Record China    2015年6月7日(日) 7時20分

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5日、半年前に日本で公開された3DCG版アニメ映画「STAND BY ME ドラえもん」が先月28日に中国全土で公開され5日間で興行収入3億元(約60億円)を突破する記録的大ヒットとなった。

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2015年6月5日、半年前に日本で公開された3DCG版アニメ映画「STAND BY ME ドラえもん」が先月28日に中国全土で公開され5日間で興行収入3億元(約60億円)を突破する記録的大ヒットとなった。その後の数日間も、中国映画市場の興行収入ランキングで引き続きトップに君臨している。日本から渡って来たドラえもんはどのようにして中国人にとって最も馴染み深いアニメのキャラクターになったのだろうか?武漢晩報が伝えた。

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▼4世代にわたる中国人と「ドラえもん」の素晴らしい出会いと軌跡

1987年前後、中国本土の複数の出版社が著作権を取得しないまま、「ドラえもん」の漫画を相次いで出版した。そのため、中国語に翻訳されたタイトルも、「機器猫」(ロボット猫)から「小叮当」(鈴の音ちゃん)、「機器猫小叮当」「叮当機器猫」までバラバラで、当時は「[口多][口拉]A夢」(日本語の音訳、現在の正式名称)という名前はどこにも登場したことはなかった。これが、「ドラえもん」の中国進出の始まりだった。

1989年、ドラえもんのアニメシリーズの放送権を購入した広東テレビが、「叮当」という中国題でアニメを放送したことをきっかけにして、その後全国の各地方局でも放送された。これが、1970年代生まれを主体とする中国のテレビ視聴者と「ドラえもん」との初めての出会いとなった。

▼笑いと涙のツボが織り込まれた映画

「ドラえもん」が中国に進出した頃、中国では一人っ子政策導入後の初の一人っ子世代が子供時代を迎えていた。興味深いのは、「ドラえもん」に登場するキャラクターの多くは「一人っ子」であることだ。中国の一人っ子たちも、劇中の登場人物が勉強や生活で遭遇するさまざまな問題や悩みを同様に体験していたが、それを相談できるような人が身の回りにいなかった。この時、善良で可愛く、不思議な力を持ったドラえもんが子供たちの目に飛び込んできた。まさに「ドラえもん」こそが、一人っ子世代が心から必要としていた最も理想的な友人だった。

さらに「偶然」なのは、「ドラえもん」に登場するそれぞれのキャラクターは、中国の学校の中で見られる典型的な生徒のタイプにぴたりとはまっていたことだ。遊んでばかりで怠け者ののび太、可愛くて優等生のしずかちゃん、乱暴者のジャイアン、ジャイアンの金魚のフンで、家が裕福なスネ夫。中国の子供たちもこれらの登場人物に、自分の周りの友人やクラスメートの姿を重ね合わせることができた。しかも、登場人物たちはそれぞれに欠点はあるが、どこか憎めない。むしろ、非常に親しみやすく身近に感じられる。これも、「ドラえもん」のキャラクター設定の特別なところであり、だからこそリアルで、自分の生活に置き換えることもできた。

長年にわたり、「ドラえもん」の映画やアニメ、あるいは「ドラえもん」のキャラクターは、テレビや映画のスクリーンを通して、子供の頃に見た非現実な夢を現実の世界の出来事へと変えてくれた。ノスタルジックな感動作を打ち出した「STAND BY ME ドラえもん」は中国の観客を過去、現在、未来へと時空を超えた旅に連れ出す間に友情や親子愛、恋愛の大切さを実感させ、ノスタルジックな感傷と温かさを体験させてくれる。(提供/人民網日本語版・翻訳/MZ・編集/武藤)

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