日本僑報社 2015年6月19日(金) 10時47分
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西安交通大学の洪雅琳さんは、自身が日本人と関わった経験から日中両国の違いを強く意識し、さらなる相互理解が必要だと感じたようだ。写真は中国の飲食店。
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日中関係改善の兆しがささやかれる中、日中友好には何が必要かも大きな議論の的になっている。西安交通大学の洪雅琳さんは、自身が日本人と関わった経験から日中両国の違いを強く意識し、さらなる相互理解が必要だと感じたようだ。
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日中国交正常化を実現して以来、もう40年経ちました。しかし、中国では「日本人はすべて悪い人だ」「日本人は鬼畜みたいな人だ」など、悪いイメージを持つ人はまだ多いです。私は大学に入る前、日本人についてあまり良い話は聞きませんでした。しかし、大学に入って、日本人留学生と接触したことで、日本人が悪い人ばかりではないことがわかりました。みんな優しいし、中国人に対してもとても親切です。その中でも、特に印象に残った体験があります。
それは、ある日本人留学生のおじいさんと食事をした時のことでした。そのおじいさんは退職した後、中国に来て中国語を勉強していました。私はよくおじいさんと食事をして、おしゃべりをしました。あの日、私たちはいつもの店に行きましたが、とても混んでいた上、席に通されても店員さんは忙しくて、私たちのテーブルを片付けてくれませんでした。その時、おじいさんは袖をまくりあげて、食べ残しが散らかったとても汚いテーブルを片付け始めたのです。
「え?片付けは後で店員さんがするから、そのままにしておきましょう」と私が止めたら、おじいさんは、「大丈夫、店員さんは忙しいから、これ以上迷惑をかけては彼女たちにすまないしね。これぐらいなら私にもできるよ」と言いました。私は店員さんのことを考えたこともない自分が恥ずかしくなってしまいました。そして、私もおじいさんを手伝って、一緒にテーブルを片付けました。それはレストランの中でちょっと異様に見えたのか、周りの人は不思議そうな顔をして、ひそひそ話していました。
店員さんは、ピカピカになったテーブルを見て、驚いた顔をしていました。そして、私たちに、「申し訳ございません」と何度も謝りました。「いえいえ、いつもここでおいしい料理をごちそうになっているから。ただテーブルを片付けただけなので、気にしないでね」と、おじいさんは笑顔で言いました。
私たち中国人から見ると、自分たちはお客さんだから、サービスを受けることは当然です。なのに、なぜ店員さんのために片付けてあげるのか理解できませんでした。もしかしたら、日本人の国民性によるのかもしれません。日本人はどんな場合でも周りの人に迷惑をかけないようにします。
日中両国民の距離が遠い原因は、お互いに理解不足ということにあると思います。日中間の交流は、技術や経済などの面に限らず、もっと草の根的な交流を重視すべきだと思います。おじいさんのように、一人一人から学ぶことはとても大きいのです。日中両国民がもっとお互いの文化を理解して、人と人とのつながりを大切にすることができれば、もっとお互いの距離も縮まり、親しくなっていくのではないか、と思います。(編集/北田)
※本文は、第八回中国人の日本語作文コンクール受賞作品集「中国人がいつも大声で喋るのはなんでなのか?」(段躍中編、日本僑報社、2012年)より、洪雅琳さん(西安交通大学)の作品「お互いの文化を理解しよう」を編集したものです。文中の表現は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報社の許可を得て掲載しています。
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