Record China 2015年6月29日(月) 7時30分
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26日、上海市場全体の値動きを示す上海総合指数は、前日終値比7.4%の急落となる4192.9で引けた。今月12日には年初来最高値の5178.2だったので、2週間で約1000ポイントも大幅に下落したことになる。写真はスモッグに煙る上海のビル群。筆者撮影。
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2015年6月26日、上海市場全体の値動きを示す上海総合指数は、前日終値比7.4%の急落となる4192.9で引けた。今月12日には年初来最高値の5178.2だったので、2週間で約1000ポイントも大幅に下落したことになる。このような事態はある程度、予想されていた。
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筆者が先日香港を訪問した際、話を聞いた日系証券会社の女性チーフ・ストラテジスト氏は「中国の株式市場は、企業の業績が良いから株価が高くなるのではなく、大量の資金が投入されているので、株高になるのを見越して、さらに資金をつぎ込むという動きが散見される。典型的なマネーゲームで、いずれ暴落する可能性も捨てきれない」と警鐘を鳴らしていた。すばり、この予想は当たったわけだ。
その彼女は茶目っ気たっぷりに笑顔を見せて、次のようにも指摘する。「中国の株式市場には最近、お化けが出るんですよ」と。
もちろん中国の証券取引所に本物の「お化け」が出るわけではない。値動きがおかしく、例えば業績的な裏づけもなく株価が30日以上もストップ高を続ける株が出ており、中国ではこのような株を日本のお化けと同じ意味の「妖怪」に引っかけて「妖株」と呼んでいるのだ。彼女によると、その典型が深セン証券取引所に開設されている中国創業板だという。これは「中国版ナスダック」とも呼ばれる中国の新興企業向け市場である。
創業板は6月に入っても勢いが止まらない。年初から上海総合指数をはるかに超える上昇ぶりで、上場銘柄数の半数近い200以上の銘柄が年初から倍増しているほどだ。香港市場でも同じような傾向がみられ、上場間もない一部の小型株のなかに、上下の変動が激しい、怪しい動きをする「妖株」がみられるという。
このためか、中国国営通信の新華社電は「バブルはいつか崩壊する」と伝えるなど、極めて慎重な姿勢を崩していない。これは、中国政府の経済ブレーンが市場の動向に極めて神経質になっていることを如実に物語っているようだ。
それが徐々に現実になりつつあるようで、日本のある市場関係者は「日中の経済的結びつきが強まっているだけに、中国の実体経済や市場の動向を注視する必要がある」と警戒感を隠さない。
◆筆者プロフィール:相馬勝
1956年、青森県生まれ。東京外国語大学中国学科卒業。産経新聞外信部記者、次長、香港支局長、米ジョージワシントン大学東アジア研究所でフルブライト研究員、米ハーバード大学でニーマン特別ジャーナリズム研究員を経て、2010年6月末で産経新聞社を退社し現在ジャーナリスト。著書は「中国共産党に消された人々」(小学館刊=小学館ノンフィクション大賞優秀賞受賞作品)、「中国軍300万人次の戦争」(講談社)、「ハーバード大学で日本はこう教えられている」(新潮社刊)など多数。
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