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<70年安倍談話>「侵略」「痛切な反省」「お詫び」具体的に盛り込め=「全体継承」は疑念もたれ国益に反する―文化勲章受章者ら学者74人が声明

八牧浩行    2015年7月17日(金) 14時49分

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17日、学者74人は「戦後70年安倍首相談話」に関する声明を日本記者クラブで発表。声明は1931〜45年の侵略戦争について、「国際法違反で、大きな誤りだった」とし、談話に「侵略」「痛切な反省」などの文言を具体的に盛り込むよう求めた。

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2015年7月17日、大沼保昭・明治大特任教授、三谷太一郎・東大名誉教授(文化勲章受章者)ら国際法、歴史学、国際政治学の学者74人は、8月に出される「戦後70年安倍首相談話」に関する声明を日本記者クラブで発表した。声明は、台湾、朝鮮の植民地化と1931〜45年の侵略戦争について、「国際法違反で、大きな誤りだった」と強調。「侵略」「植民地支配への痛切な反省」「心からのお詫び」など「村山談話」、「小泉談話」を構成する重要な言葉が安倍談話に採用されなかった場合、「その点に国際的な関心が集まり、首相談話自体が否定的な評価を受ける可能性が高い」と警告している。

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大沼、三谷氏と、石田淳・東大教授、小此木政夫・慶応大名誉教授、波多野澄雄・筑波大名誉教授、毛里和子・早大名誉教授は同日の声明発表記者会見に出席。「私たちの間には学問的立場と政治的信条において相違があるが、声明の内容で一致、内外の方々や国政を司る方々に伝えたい」(大沼氏)「首相談話は個人の見解ではなく、将来にわたり日本国民を拘束する意味を持つので重要と考えた」(三谷氏)などと語った。同声明の要旨は次の通り。

戦後日本の復興と繁栄は日本国民の努力だけでなく、講和と国交正常化に際して、賠償を放棄するなど、戦後日本の再出発のために寛大な態度を示し、その後も日本の安全と経済的な繁栄を支えてくれた諸外国の日本に対する理解と協力、支援によるものだった。海外の諸国民への深い感謝の気持ちが示されるべきだ。台湾、朝鮮の植民地化と1931年〜45年の国際法上違法な侵略戦争は大きな誤りであり、この戦争によって300万人以上の日本国民と、数倍にも上る中国その他外国民の犠牲を出したことへの、強い贖罪感と悔悟の念が、戦後日本の平和と経済力を支える原動力だった。

安倍談話において「侵略」「植民地支配への痛切な反省」「心からのお詫び」など「村山談話」、「小泉談話」を構成する重要な言葉が採用されなかった場合、その点に国際的な関心が集まり、首相談話自体が否定的な評価を受ける可能性が高い。安倍首相が強調する「村山談話」や「小泉談話」を「全体として継承する」ということの意味を、具体的な言語表現によって明らかにするよう強く要望する。

首相は「侵略の定義は定まっていない」という趣旨の発言を国会答弁で行っているが、学問的には必ずしも正しい解釈とは思えない。日本が1931年から遂行した戦争が国際法上違法な侵略戦争であったという、国際社会で確立した評価を否定しようとしているのではないかとの疑念を生じさせるものであり、日本に大きな不利益をもたらすと考える。(八牧浩行

■筆者プロフィール:八牧浩行

1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。東京都日中友好協会特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著・共著に「中国危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外国為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。

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