<日本人が知らない韓国>南北休戦を実感する日

Record China    2015年9月13日(日) 6時30分

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韓国では年に数回、全国一斉に民間防衛訓練が実施される。日ごろ実感のない南北の休戦状態を実感する日だ。

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8月4日、南北間の軍事境界線に沿って設けられた非武装地帯(DMZ)の韓国側で、北朝鮮軍が設置したと思われる地雷が爆発し、韓国軍兵士2人が重傷を負った事件からしばらくの間、南北間に緊張が走った。このことからも分かるが、南北間は今でも休戦状態で、朝鮮戦争が平和解決した訳ではない。韓国では男子に徴兵制が課せられ、20カ月強の服務期間を軍隊で過ごす。退役後も8年間は予備役として、予備役が終わった後には40歳まで戦時支援役として毎年定まった時間、訓練・教育を受けることになっている。

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南北問題に付随する訓練は韓国全土で一般市民対象にも行われており、民間防空退避訓練と災難退避訓練が年に数回実施される。今年も8月19日午後2時から2時20分に民間防空退避訓練が実施され、私もその中にいた。当日2時に町中にサイレンが鳴り響くと、民防衛(民間防衛)と書いた旗を持った担当者が町中の主要箇所に立ち、車両や歩行者の動きが制限される。そして、走行中の車はすべて停止し、歩道の歩行者も移動をやめる。地下鉄の駅からの出入りも制限され、20分の間町の動きが止まる。道を走るのは警察車両だけだ。

韓国国民は毎年行っている訓練だからか緊張感もなく、携帯電話を見たり友人と話をしたりしていているが、動きは止めている。しかし不慣れな外国人の中には、意に介さず移動している人も見受けられる。私も皆と共に20分間歩道に立ち止まり、その間写真撮影などしていたが、特に注意されることもなかった。そして訓練が終了すると、何もなかったかのように町が動き出す。

韓国では、地下鉄の構内、マンションやデパートの地下駐車場が有事の際のシェルターになっており、それら施設の前には待避所と書かれた看板が設置してある。このような施設が必要なことや、町中に響き渡るサイレン、全国一斉に町の動きが止まる風景は、日ごろ南北休戦状態を意識して生活していない中で、まだ解決していない問題があることを実感させる。

■筆者プロフィール:水田尊久

兵庫県出身。2000年に訪韓し、現地企業で勤務した後、2013年に独立。日韓企業協業支援、韓国進出支援、市場調査など、韓国を中心に活動している。

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