2015年10月1日、重慶晨報によると、路上で転倒した老人が助け起こしてくれた女性に対して感謝の手紙を書いたことが、ネットユーザーの間で話題になっている。

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9月28日午後、84歳の楊治清（ヤン・ジーチン）さんは重慶市渝北区の嘉州電子校近くを散歩している最中に転倒してしまった。すると、近くにいた若い女性が迷うことなく楊さんを助け起こし、ベンチに座らせた。その後、楊さんが軽傷であることを確認し、住所などを聞いた。女性はタクシーを止めて楊さんを乗せると、運転手に運賃を手渡したという。楊さんは「自分で起き上がれたけど、彼女の助けは本当に温かい気持ちになった。お金は持っていたけど、タクシーがすぐに発進してしまった」と話した。

楊さんと楊さんの妹の夫・黄民剛（ホアン・ミンガン）さんは翌日、直接お礼を言いたいと感謝の気持ちをつづった手紙を手に現場にやってきて女性を探したが見つからなかった。中国では路上に倒れた人を助け起こすと加害者にされ、治療費や慰謝料を請求されるケースが相次いでいることから、人助けに二の足を踏んでしまう人が多い。黄さんは、「女性が迷うことなく兄を助けてくれたことに感動している。こうした善い行いが社会の悪影響を受けることなく伝わっていってほしい」と話す。2人は引き続き、女性を探したいとしている。

この報道に、中国のネットユーザーからは、「女性を探すのは治療費を請求するためじゃないのか？」といったうがった見方があるものの、多くは「これぞ良識ある市民」「このおじいさん方に『いいね』！」「世の中にはやっぱり良い人が多いんだよ。不平不満を言うことは控え、もっと寛容になれば、世界は美しくなる」「社会には悪い人もいれば善い人もいる」「心の美しい女性に幸あれ」など、女性と老人の行為をたたえるコメントが寄せられている。また、「こういうことがニュースになること自体が情けない」と嘆く声も見られた。（翻訳・編集/北田）