2015年11月12日、韓国・文化日報は、この日10代の若者たちに交じって大学入学試験に挑戦した72歳の女性について報じた。

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試験を翌日に控えた11日、ソウル市内の試験会場を確認しに訪れた多くの受験生の中に、72歳の女子高生、イ・ファジャさんがいた。しわが刻まれた手で受験票を握り締め、「ついに来たよ」と涙ぐむイさん。その短い言葉の裏には、彼女の苦難に満ちた人生があった。

イさんは30歳で夫をなくして以降、2人の娘を女手一つで育ててきた。小学校しか出ていなかったため、常に低賃金や差別に悩まされたという。しかし3年前、再び学び始めたことでその人生は180度変わった。それまで「街にあふれる外来語も読めず、知識ある人の前では何も言えない」毎日だったが、「再び本を手にし、生まれ変わったようだった」という。

2人の娘を嫁がせ、現在は一人暮らしのイさんは、学校の授業の時間を除いてはビルの清掃員として働いている。試験当日の12日も午前5時まで仕事をしてから試験場に現れたが、その表情に疲れは見えない。「仕事と勉強の両立は大変ではあるけれど、学校に行けると思うと自然に鼻歌が出て来る。（高校に通った）3年の短い時間は、それまでの30年よりもはるかに幸せだった」と笑顔で語り、試験へと向かった。

この報道に、韓国のネットユーザーからは次のようなコメントが寄せられている。

「大学の合否とは関係なく、思い出に残る一日になりますように」

「心から尊敬する」

「どこまでも挑戦を続ける姿、韓国の若者も見習ってほしい」

「母の偉大さだね」

「周りの状況を言い訳に勉強を後回しにしていた自分は、ただわがままだっただけだと思い知らされた」

「涙が出た。イさんに比べて自分が持っている物がどんなに多いことか、反省しないといけない」

「これこそ真の大人の姿」

「1日くらい、上司が休みをあげればよかったのに」

「格好良い。さすが韓国の母は強いね」

「大学がすべてではないけど、30年前に進学を諦め、50歳では遅過ぎると夢も諦めた自分が恥ずかしい」（翻訳・編集/和氣）