八牧浩行 2015年12月7日(月) 8時0分
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アジア開発銀行研究所(ADBI)は年次シンポジウムを開催し、アジア経済について討議した。2015年の中国の経済成長率予測を6.9%と、9月時点の6.8%から上方修正した。急速な都市化を背景とした民間消費やサービス分野の拡大を理由としている。
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2015年12月3日、アジア開発銀行研究所(ADBI)は東京都内で年次シンポジウムを開催し、中国をはじめとするアジア経済について討議した。2015年の中国のGDP成長率予測を6.9%と、9月時点の6.8%から上方修正した。急速な都市化を背景とした民間消費やサービス分野の拡大を理由としている。
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このシンポジウムには、中尾武彦アジア開発銀行総裁(元財務省財務官)、吉野直行ADBI所長(慶応大名誉教授)のほか、余永定・中国世界経済政治研究所前所長をはじめ日米中韓各国や東南アジアの研究者が出席した。
ADBIによると、中国経済は、投資の減退や製造業の過剰設備、住宅マンションの過剰供給が引き続きマイナス要因となっている。一方で、民間消費やサービス分野が拡大。中国政府の景気下支え策も効果を発揮しつつあるという。2015年の中国の経済成長率予測を6.9%と、9月時点の6.8%から上方修正。16年の成長率は6.7%と予測を据え置いた。
ADBIの吉野所長は「世界第2位の規模の中国経済の減速は世界全体に影響を与えるが、諸データは成長の可能性を示している」と説明。ADBIのモルガン・上席研究コンサルタントは「都市化比率が中国では54%と、先進国平均の80%に比べ小さい。都市化を背景としたインフラ投資の余地が大きい」と指摘した上で、「今後の中国成長の源となる」と語った。また「戸籍、年金、貯蓄などの改革が進められれば、経済を下支える要素になる」との見通しを明らかにした。(八牧浩行)
■筆者プロフィール:八牧浩行
1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。東京都日中友好協会特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著・共著に「中国危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外国為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。
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