東京株式市場が「日銀決定」巡り大混乱、高安900円幅で乱高下し366円安で終了=あっさり1万9000円割る―「中途半端な日銀政策」に怨嗟の声

八牧浩行    2015年12月18日(金) 18時50分

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18日、東証株価は前日比366円安の1万8966円で大引けた。日銀が同日の金融政策決定会合で決めた「金融緩和補完措置」に対する評価が錯綜し、投資家心理が急速に悪化。取引時間中の高値と安値の差が900円近くに達する乱高下状態だった。写真は東京証券取引所。

2015年12月18日、東京株式市場で日経平均株価は前日比366円安の1万8966円で引けた。1万9000円を割り込んだのは3日ぶり。日銀が18日の金融政策決定会合で決めた「金融緩和補完措置」に対する評価が錯綜、投資家心理が急速に悪化した。取引時間中の高値と安値の差が900円近くに達する荒い値動きだった。

原油安を背景に前日の米株式相場が大幅に下落したことも悪材料となった。17日の上海総合指数は大幅に続伸、2週間ぶりの高値を付けた。18日も続伸、中国株式相場が堅調に推移しているだけに、日米の株価変調が際立った格好だ。

 

日銀が18日に決定した「金融緩和補完措置」は上場投資信託(ETF)を買い入れる枠を年3000億円新設するもの。午後1時前の発表直後には日銀のETF買いが加速するとの見方から買われ、日経平均の上げ幅は500円を超えたが、この措置への分析が進むにつれて失速。日銀がかつて買い入れた株式の売却に伴う市場への悪影響を吸収するのが主目的との認識が浸透すると、大量の失望売りに見舞われた。相場の混乱が投資家心理を急速に冷やした格好で、市場では中途半端な日銀決定に対する怨嗟の声が渦巻いている。(八牧浩行

■筆者プロフィール:八牧浩行

1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。東京都日中友好協会特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著・共著に「中国危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外国為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。

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