2015年12月22日、韓国・朝鮮日報は、韓国・仁川空港の国際ハブ空港としての地位が徐々に低下し、危機的状況に陥っていると報じた。これまでリードしていた分野ではライバル空港に追われ、立ち遅れていた部分では格差を広げられる傾向が、各指標に表れているのだ。

まず記事が挙げた問題点は、空港の物理的規模。昨年の国際旅客数4551万人はすでにターミナル収容の限界を超えており、出国手続きにかかる時間が増え、サービスの低下につながっている。旅客数増加に合わせ積極的に規模を拡張してきた中東のハブ空港・ドバイ空港などと比較すると、利用客の増加も頭打ち状態だ。

また、国際線利用客の乗り換え率も伸び悩んでいる。13年に18．7％まで上がった乗り換え率は昨年16％に。ライバルのハブ空港が30％前後の乗り換え率を維持しているのと比べると、大きく見劣りのする数値だ。今年10月までの国際線利用客のうち、外国人乗客が34．5％にとどまったことからも、仁川空港がハブ空港としてより韓国の国内空港として利用されていることが分かる。

さらに今後、中国での新空港建設ブームも脅威となるに十分だ。中国では地方で仁川空港よりも巨大な空港建設が複数予定されており、完成すれば、これまで仁川で乗り換えていた中国人客が皆中国の空港に流れる可能性が高いのだ。

この報道に、韓国のネットユーザーからは次のようなコメントが寄せられた。

「ドバイ空港は24時間いつでも混雑してるよ。仁川空港は夜になると免税店が閉まってしまうし、市内に行く交通機関もないから、ぼったくりをしようとするタクシー運転手がたばこを吸いながら待ち受けてる状態だ」

「何でも大きく造る中国には押されて当たり前。仁川には仁川だけの独特なサービスが必要だと思う。規模を大きくすることがすべてじゃないよ」

「国会議員出馬のための実績づくりを狙うような人を（空港の）社長に任命するから駄目なんだ」

「東の端にある国で乗り換えなんてしないよ」

「ドバイと比較すること自体がおかしい。ドバイはヨーロッパに行くのにみんな経由するけど、韓国は他の国へ行くのに経由する必要がない」

「いまだにハブ空港なんてばかげた夢を見てるのか？。出入国管理だけ、ちゃんとしてくれ」

「空港が小さいから観光客が少ないという論理のようだけど…空港が大きくて客がいなかったら、過剰投資だと言うだろうね」

「最近の韓国はあらゆる分野で縮んでいる感じだ。期待や意志、希望…そんな物はみんななくなって、どこに向かうべきかも分からずうろうろしているみたい」（翻訳・編集/吉金）