八牧浩行 2016年5月21日(土) 8時20分
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稲場雅紀・国際NGOネットワーク「動く→動かす」事務局長、西井和裕・名古屋NGOセンター理事長、根本かおる・国連広報センター所長が会見し、G7伊勢志摩サミットで、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」の実現に向けた論議が進展するよう要望した。
2016年5月19日、稲場雅紀・国際NGOネットワーク「動く→動かす」事務局長、西井和裕・名古屋NGOセンター理事長、根本かおる・国連広報センター所長が日本記者クラブで会見し、26日からのG7伊勢志摩サミットで、国連が世界の貧困・飢餓・紛争対策などで掲げる「持続可能な開発目標(SDGs)」の実現に向けた論議が進展するよう要望した。
稲葉氏は、世界は(1)エボラ熱をはじめとする感染症(2)IS(イスラム国)をはじめとする国際的な過激テロ集団の脅威(3)「パナマ文書」(タックスヘイブン)に象徴される世界的な格差拡大(4)気候変動―などの課題に直面していると指摘。このままでは世界は持続不可能であり、世界を持続可能なものに変えていかなければならない、と力説した。その上で、26日からのG7伊勢志摩サミットに集う各国首脳がこの問題に真剣に取り組むよう訴えた。
西井氏は伊勢志摩サミットの開催に合わせ、東海地方のNGO・NPOネットワークが主催する「市民の伊勢志摩サミット」を5月23〜24日に三重県四日市市で開くことを表明した。日本内外のNGO・NPOが連携し、「力強い市民社会」の形成を目指し、平和、シリア難民、環境、子ども、食糧安全保障など国際的な課題や地域の課題を15の分科会で話し合う。その結果を「市民からの宣言文」としてまとめ国際社会や地域に発信する方針だ。
根本氏はSDGsと気候変動に関するパリ協定がスタートして初めてのG7サミットとなるとした上で、「貧困、紛争、気候変動に取り組み持続可能な世界を実現するためには、市民社会の方々のサポートが必要だ。私たちは同じ船に乗って同じ目標を目指している」と強調した。SDGsを主導してきた潘基文(パンギムン)国連事務総長も伊勢志摩入りし、世界の貧困や紛争撲滅策を訴えるという。
「持続可能な開発目標」(SDGs)は国連が「人々と地球のために、私たちの世界を転換させよう」との理想を掲げ取り組んでいる大プロジェクト。今後15年間に達成すべき目標を定めている。昨年9月に150カ国以上の首脳が出席して、ニューヨークで開かれた「開発サミット」で採択された。
主要な目標は、(1)あらゆる形態の貧困に終止符を打つこと、(2)ジェンダー(男女)の平等を達成し、すべての女性と女児への自立促進支援、(3)気候変動とその影響に立ち向かうための緊急対策、(4)格差の是正(5)質の高い教育、(6)経済成長、(7)技術革新―など17項目の持続可能な開発目標(SDGs)と169項目のターゲットなどで構成されている。(八牧浩行)
■筆者プロフィール:八牧浩行
1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。東京都日中友好協会特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著・共著に「中国危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外国為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。
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