日本と韓国、経済をけん引する「サービス貿易」に相似点―中国メディア

人民網日本語版    2016年5月26日(木) 7時50分

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24日、観光業と映画・テレビ業の経済牽引効果は、近年における日本と韓国のサービス貿易発展の力強いエンジンとなっている。今後、多くの国との協力により、日韓のサービス貿易はより多元化し、高い競争力を備えることになるだろう。資料写真。

2016年5月24日、観光業と映画・テレビ業の経済けん引効果は、近年における日本と韓国のサービス貿易発展の力強いエンジンとなっている。今後、多くの国との協力により、日韓のサービス貿易はより多元化し、高い競争力を備えることになるだろう。

▽観光業と映画・テレビ業の急速な発展

中国現代国際関係研究院日本研究所の劉雲・補助研究員は「サービス貿易の分野において、日本は韓国よりも成功している。データからも分かるように、韓国のサービス貿易輸出は成長を続けているが、過去5年間の成長率はやや減速している。このほか、韓国の輸出額に占めるサービス貿易の割合はOECD(経済協力開発機構)加盟国の平均の半分にも及ばない。つまり、韓国の対外サービス貿易の全体的な発展は相対的に見て日本より遅れている」と指摘する。

劉氏によると、日韓のサービス貿易には相似する部分があり、新たなすう勢としては、(1)観光サービス貿易(2)映画・テレビ・アニメ漫画作品(3)輸出関連のサービス産業――の3つが挙げられる。

観光サービス貿易については、日韓それぞれに特徴があり、いずれも高い競争力を持つ。日本の観光サービス貿易はここ数年、民泊の合法化推進、観光商品の便利性向上などの面で良好な発展を見せている。一方の韓国は、免税店の開設、中国語サービスの提供、韓国文化をテーマとした観光商品など、中国人観光客向けのサービスがこまやかだ。両国の観光当局のデータによると、韓国は中東呼吸器症候群(MERS)などの影響もあり、2015年の訪韓外国人観光客は前年比6.8%減の1323万人にとどまった。一方、訪日外国人観光客数は同47%増の1973万7400人に達している。

映画・テレビ・アニメ・漫画作品を見ると、日韓の作品の世界市場での普及率・シェアはいずれも高い。特に韓国はゲーム・映画・テレビ産業で強みを持つ。

中国社会科学院アジア太平洋・グローバル戦略研究院の李天国・補助研究員は、「映画・テレビ作品の普及という面から見ると、韓国の映画・テレビ業は同国の全体的な経済成長期待を引き上げた。これは観光業の牽引だけでなく、化粧品など消費財の輸出にも表れている。例えば、韓国ドラマ太陽の末裔』は東南アジア、中東、欧州など30カ国余りに輸出されている」と指摘する。

李氏はまた、「伝統的な製造業と比べ、韓国のコンテンツ産業は成長率が高い。2015年、韓国のコンテンツ産業の輸出額は10.5%増加した。中でも、映画・アニメ・漫画などの輸出額の増加率は高く、2015年第4四半期の輸出増加率は100%を超えた」と述べた。

▽変革が待たれるゲーム産業

ゲーム産業を見ると、韓国の近年の成長はややペースダウンしている。携帯端末の急速な普及に伴い、中国のゲーム業界が台頭し、韓国のゲーム産業でかつては90%の成長率を誇ったネットゲームも今は衰退しつつある。現在は、他国(特に中国企業)との共同開発を選ぶ韓国ゲーム会社も多い。

かつては世界のゲーム界を制した日本にも大きな変化が訪れている。20世紀末、任天堂・ソニー・セガをはじめとする日本の家庭用ゲーム機メーカーがゲーム機市場を、スクウェア・エニクス・コナミなどのソフトメーカーがゲームソフト市場をそれぞれ独占し、当時は日本製品が世界のゲーム売上高の70%以上を占めていた。しかし、モバイルゲームの台頭に伴い、日本のゲーム業界も打撃を受けた。日本にはインターネットプロトコル(IP)面の強みがあり、近年はモバイルゲームなどにも力を入れているが、ゲーム市場の衰退は隠しきれない。2014年の日本のゲーム市場規模は3685億5000万円で、2013年の4089億7000万円と比べると9.9%縮小した。

劉氏は「日韓のゲーム・映画・テレビは東南アジアでのシェアが高く、欧米でも人気だ。しかし、膨大な人口を持つインドなど一部の地域ではまだまだ発展の余地がある。日本と韓国のアニメ・漫画・ゲームのインド市場でのシェアはほぼゼロ。映画はインドでは現地のボリウッドと米国のハリウッドが有名で、日韓のシェアは極めて低い。これも発展の将来性が高い市場と言える」と指摘する。

▽各国との協力に新モデル

劉氏は「パッケージ輸出、エンジニアリング輸出などの産業の関連サービス、例えば金融サービスや労働力の輸出・人材育成などの発展を見ると、韓国はスタートが遅く、日本の方が成功している。アジアのインフラ建設は今後しばらくの間、重点的な発展分野となるだろう。日中韓はこの面で各自の強みを生かし、協力メカニズムを形成することこそが最終的な方向性となる。健全な競争と協力の増加は東アジアがウィンウィンを実現するための手段だ」と語る。

インフラ建設には将来的な協力の可能性があるが、これは観光面でも同様だ。日中韓によるアジア太平洋観光生態圏の形成は将来の発展のすう勢と言える。ゲーム協力の分野では中韓はすでに発展を加速している。中国韓国在華商会常務副会長の申亥鎮氏はかつて、「市場開拓が目的であれ、第3者市場の共同開発が目的であれ、中韓両国の企業の協力は急速に増加しており、大きな協力の余地がある」と指摘した。

しかし、いくつかの問題も存在する。劉氏は「地域協力メカニズムが多すぎると協力が断片化してしまう。日本などが推進する環太平洋パートナーシップ(TPP)協定、ASEANが主導する東アジア地域の包括的経済連携(RCEP)、中韓自由貿易協定など一連の2国間協定などのメカニズムは、サービス貿易に関する内容や基準が異なる場合がある。これらを統合するのは難しく、中国、日本、韓国の協力がある程度制限される恐れがある」と指摘する。(提供/人民網日本語版・編集SN)

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