「きれいで上品な日本人の先生が真っ赤な顔をして恥ずかしそうに…」、初めて知った日中トイレ文化の違い―中国人学生

日本僑報社    2016年7月5日(火) 7時50分

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先日、日本の小学生4833人に対して行われた調査で、およそ半数が「学校で大便をしない」と回答。理由は「友達に知られたくない」が最多だった。では、中国の学校のトイレ事情はどうなのだろうか。江西科技師範大学の周佳鳳さんの作文を見てみよう。資料写真。

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先日、日本の小学生4833人に対して行われた調査で、およそ半数が「学校で大便をしない」と回答。理由は「友達に知られたくない」が最多だった。では、お隣の国・中国の学校のトイレ事情はどうなのだろうか。江西科技師範大学の周佳鳳さんは日中の違いを次のようにつづっている。

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「ブリッ、ブリブリブリッ……」という音がドアの向こうから響いてきた。この音を聞いて、私は「王さん、大丈夫?お腹壊したの?」と声を掛けた。「昨日、古いパイナップルを食べたせいかなあ、お腹が痛いの。でも、今は少し楽になったよ」と王さんの弱々しい声が聞こえてきた。

こんな会話は中国のトイレでは決して珍しいものではない。以前、私はお腹を壊して公衆トイレに飛び込んだことがある。その時、10分以上も「ブリブリ」が止まらず、やっと終えて立とうとしたとき、足が痺れてちゃんと立てなかった。外でトイレを待っていた初対面のおばさんは、私を見るなりすぐに支えてくれた。「大丈夫?お腹壊したの?薬を買って飲んだほうがいいよ。若いからと言って、あんまり無茶しちゃダメだよ」と私を気遣ってくれた。そのおばさんの優しい言葉は、私の心細さを吹き飛ばすばかりか、どんな薬よりも効果があると思った。

しかし、日本ではこんな話はあまり聞かないようだ。なぜなら、トイレの音を他人に聞かれないように、日本の女性は用を足すとき、わざと余分に水を流すそうだ。それどころか、節水のために、水の音だけが流れる擬音装置も普及しているそうだ。でも、私はこのことが全く理解できない。トイレの音は体調のバロメーターで正常な現象なので、隠すことはないと思う。他人に聞かれても恥ずかしがる必要はないし、むしろ、心配してくれる人がいるからうれしい。それどころか、トイレットペーパーが足りないとき、渡してくれる人もいるかもしれない。

私の大学には、いつもきれいに化粧をしている日本人の先生がいる。その先生は、とても優しく、上品な話し方で、学生に人気がある。でも、その先生が学校のトイレを使っているところを見たことがない。ある日、私たちは先生と一緒に屋台でご飯を食べた。不衛生な物を食べたせいか、みんなはお腹が痛くなってトイレへ行ったが、先生は青白い顔をして、ずっとつらいのを我慢していた。理由を聞いたら、学校のトイレは慣れない。そして、学生にトイレの音を聞かれるのが恥ずかしいとのことだった。

だから、私たちは、先生が安心してトイレに行けるように、誰も女子トイレに入らないように外で見張った。しばらくして、先生は真っ赤な顔をして恥ずかしそうにトイレから出てきた。そして、「お恥ずかしいところを見せてしまって、本当にごめんね」と謝ってまでくれた。この先生に出会って、中国人と日本人ではトイレに対する考え方がかなり違うということが分かった。

中国の学生は授業の休憩時間にいつも友達を誘って4、5人でトイレに行く。もし友達が行かなければ、自分も行かない人が少なくない。そして、トイレで友達を待たせることも多い。「今日はちょっとお腹が痛いから、時間がかかるかも。待っててね」という言葉もよく聞く。そして、ドアの内側のお腹の痛い人とドアの外側で待っている人のおしゃべりが始まる。俳優さんのうわさからネットショッピングに至るまでいろいろな話題で盛り上がる。「本当にお腹が痛いの?」と聞きたくなるぐらいだ。

中国人は世界中のどのトイレでも使えるが、日本人はどうだろうか。先生みたいにお腹が痛くても我慢しているのだろうか。トイレは人間のために作られたものだから、人間を縛るような存在になってはいけないと思う。私が子供の頃、小学校のトイレにドアという物は存在しなかった。トイレにいると、みんなはパンツもお尻も丸見えだった。用を足す姿を友達に見られても恥ずかしくなかった。実は、トイレの音は誰の音でも大体同じだ。だから、恥ずかしがることはない。でも、日本人は自分だけ特別な音を出していると思っているのかもしれない。そうだとしたら、そんなことは気にしなくてもいい。今日も元気にトイレに行こう!(編集/北田

※本文は、第十一回中国人の日本語作文コンクール受賞作品集「なんでそうなるの?中国の若者は日本のココが理解できない」(段躍中編、日本僑報社、2015年)より、周佳鳳さん(江西科技師範大学)の作品「今日も元気にトイレに行こう!」を編集したものです。文中の表現は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報社の許可を得て掲載しています。

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