八牧浩行 2016年7月1日(金) 17時55分
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1日、英国のヒッチンズ駐日大使が日本記者クラブで緊急会見。英国の欧州連合(EU)離脱を問う国民投票で「離脱」が多数を占めたことについて、「離脱を選択した国民の意思は尊重され、再投票はないと明言した。写真は会見する同大使。
2016年7月1日、英国のティム・ヒッチンズ駐日大使が日本記者クラブで緊急会見した。英国の欧州連合(EU)離脱を問う国民投票で、「離脱」が多数を占めたことについて、「有権者3300万人による国民投票は民主主義の最高の結果」とした上で、離脱を選択した国民の意思は尊重され、再投票はないと明言。スコットランド独立に関する2回目の国民投票の可能性についても「議会の承認が得られず実施されない」と述べた。
また2カ月以内に選出される新首相によって離脱が通告され、その後2年間でEUと離脱に関する対応策を協議することになるが、「この間はこれまでと同様、EUに対し、権利と義務があり、協力関係は維持される」と説明した。
これに関連して、「欧州は友人であり、パートナーであり続ける。英国は国連常任理事国で、北大西洋条約機構(NATO)や英連邦の有力メンバーであり、世界に背を向けることはあり得ない」と語った。
このほか、英国経済の現状について、(1)国内総生産(GDP)世界5位であり、経済成長率は欧州でトップ、(2)失業率は10年ぶりの低水準、(3)法人税率を20%から17%に引き下げる予定であり、社会保障費も欧州で最も低い―などと指摘。ここ数日は金融市場も落ち着きをやや取り戻していると語った。
さらに、「日英両国は広く深い関係にあり、さらなる協力強化により一層の発展を目指すことができる」と強調。「英国は日本企業の対英投資を重視しており、日本企業の利益確保のため全力で取り組む。日英EPA(経済連携協定)の合意に向けた作業も進めたい。価値観も共有しており、政治面でも日本政府と緊密に連絡とっている」と述べた。(八牧浩行)
■筆者プロフィール:八牧浩行
1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。東京都日中友好協会特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著・共著に「中国危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外国為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。
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