大串 富史 2016年8月20日(土) 14時0分
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「1、2年しか使えないかもしれない安物を買うよりは、長く使える有名メーカー品を購入した方がいいですよ」。そう言って僕を諭してくれたのは日本人ではなく中国人の友人だった。筆者撮影。
「1、2年しか使えないかもしれない安物を買うよりは、長く使える有名メーカー品を購入した方がいいですよ」。そう言って僕を諭してくれたのは日本人ではなく中国人の友人だった。
正直、助かったと今でも思う。その時は500人民元(日本円にして7500円程度)のタブレット仕様なAndroidスマホを買おうとしていたからだ。キーボード付きとはいえ、ヒンジで筐体(きょうたい)を支えるのではなく人工皮革なカバーの背に申し訳程度に添えられた「つっかえ皮」でminiUSBケーブル経由の本体を支えるあたり、どう見ても500人民元な代物に過ぎないと改めて気が付かされた。
ところがその後、セミナーのためタブレットがどうしても必要になってしまった。先の友人曰く「やっぱりWindowsタブレットでしょう。わたしたちのソフトが使えますし」。わたしたちのソフトというのはとある事典ソフトなのだが、簡易版のアプリはiOS版やAndroid版があるにもかかわらず完全版のソフトはWindows版しかない。
それで価格コムでお目当てのWindowsタブレットの値動きをずっと注視していたところ、日本出張が延期続きで期限が来てしまった。そんなある日ふと、中華Windowsタブレットという選択肢もあるかもしれないと気が付いてタオバオを検索すると…なんと1000元というWindowsタブレットを見つけてしまった。着脱可能なキーボードのヒンジで筐体を支えることができ、しかも無線マウス等付でお目当ての日本製(正確には台湾製)より少なくとも1万円は安い。
で結局買ってしまった。モデル名はOnda oBook 10 WIFI 64GBといい、Windows10とAndroid5.1のデュアルOSだという。早速おっかなびっくり使ってみると…これが意外に使えるので嬉しい驚きを感じる。勢いどんどんと必要なソフトやデータやアプリを入れてみる。もちろん母機のノートパソコンのようにはいかないが、とりあえず必要なすべてのものを入れても約5GBの空き容量を確保できた。
ところが32GBのminiSDカードが認識されない。もっと正確に言うと、購入当時は認識されていたのに後になってからいつの間にか認識されなくなっていることに気が付く。ネット中を探して分かったのは、メーカー(または販売店)にこのことを問い合わせると初期化するから送ってくれと言われるのだそうだ。冗談じゃない、必要なものを全部入れて毎日使っているし、だいいち期限がもうすぐそこまで来ているのだ。
で仕方なく8GBの別のminiSDカードを挿しデュアルOSの双方で使うファイル群を移し、まあ事なきを得る。購入後になって気が付いたスピーカーの音量が極端に小さい件も、この機会に30人民元(約450円)のbluetoothスピーカーを買ったから全然大丈夫だ。着脱できるキーボードのマウスパッドのスクロールが不可というなんともな「仕様」も、まあ画面を直接タッチできるからいいとしよう。
…と自分ではそれなり満足していたところ、例の中国人の友人のSurfaceの使い心地をたまたま観察する機会があり、あらためて思った。
それはつまり…1000人民元な代物はやっぱり1000人民元分の価値しか付加できないのだ、ということにほかならない。たとえば画面タッチのレスポンスに雲泥の差があったりする。
1、2年しか使えず最後にはバッテリーが火を噴いておしまい、ということは(たぶん)ないとは思うが、中国旅行や留学や出張で激安な中華Windowsタブレットをゲットしようと思うなら、何事も値段に相応というこの原則だけは忘れずにいてほしい。「爆買い」にも通じるが、少なからぬ中国人がわざわざ有名メーカー品を買うのはそれなりの理由があってのことなのだ。
■筆者プロフィール:大串富史
本業はITなんでも屋なフリーライター。各種メディアでゴーストライターをするかたわら、中国・北京に8年間滞在。中国人の妻の助けと支えのもと新HSK6級を取得後は、共にネット留学を旨とする「長城中国語」にて中国語また日本語を教えつつ日中中日翻訳にもたずさわる。中国・中国人・中国語学習・中国ビジネスの真相を日本に紹介するコラムを執筆中。
■筆者プロフィール:大串 富史
本業はITなんでも屋なフリーライター。各種メディアでゴーストライターをするかたわら、中国・北京に8年間、中国・青島に3年間滞在。中国人の妻の助けと支えのもと新HSK6級を取得後は、共にネット留学を旨とする「長城中国語」にて中国語また日本語を教えつつ日中中日翻訳にもたずさわる。中国・中国人・中国語学習・中国ビジネスの真相を日本に紹介するコラムを執筆中。関連サイト「長城中国語」はこちら
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