<コラム>日中の大学、最大の違いはゼミ=中国にゼミがない意外な理由

神田 遊    2016年9月14日(水) 17時50分

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私は小さいころから中国の歴史が好きで、学ぶなら本場!と思い、最初に語学を学んだのち、山東大学の歴史学部に入学した。資料写真。

私は小さいころから中国の歴史が好きで、学ぶなら本場!と思い、最初に語学を学んだのち、山東大学の歴史学部に入学した。

中国の大学は9月が1年の始まりで、7月終わりである。まず休みのことを話すと、長期の休みは7、8月の夏休みと1、2月の冬休みである。夏休みはだいたい期間が決まっているが、冬休みは旧正月を基準にするため、毎年前期テスト直前まで休みの日程が分からなかった。祝日はゴールデンウィークと国慶節の各7日間、元旦1日とその前日くらいしかなく、大型連休も連休前の土日に授業振替したうえでの7日間の休みだった。大型連休は次第に旅行熱が加速し各地が大混雑になったため、2007年ごろにゴールデンウィークの休みを清明節(日本で言うお盆だが4月である)などに分散させ、3日ほどの休みに縮小させた。

さて次に、入学から卒業までの流れについてである。外国人ももちろん入学試験があるが、中国人とは試験が違っていた。中国人の大学入試(通称「高考」)は全国一斉で行われ、省ごとに合格ラインが違ったりする。そのため一部には高校時代にあえて合格ラインが低い省で過ごし、そこの省の人間として入試する人もいる。この方法は現在では禁止されてできないはずである。一方、外国人の入学試験は学校によって差異があるが、山東大学は中国語検定「HSK(漢語水平考試)」のような語学試験を受けるだけで受かるという非常に楽なものであった。

そこから1〜4年まで必修と選択科目の必要単位を取得、4年生時に卒論を書いて答弁し卒業である。学部によっては実習があり、山東大学の考古学部は半年間の遺跡採掘の実習があった。日中の大学授業での最大の違いはゼミである。中国、少なくとも山東大学の学部生のときはゼミがなく聴講のみ。そのため授業で自分の意見を言うことはほぼなく、ひたすら先生の話を聞いていた。ゼミだと思想を育てることとなり、危険分子が生まれかねないからだ、と聞いたことがある。おかげで自分のリスニングはかなり伸びたが、スピーキングはイマイチである。

話は戻るが、単位取得の難易度は学部によって違っていた。私がいた歴史学部は自分の前に数人しか外国人が在籍せず、全員が中国人と同じように授業を受け、試験を受けていたため、自分もその方法に従うこととなった。テストは普通の筆記試験、レポート提出などがあり、筆記試験は60点が合格ライン。卒論は中国人と同じ1万字が最低文字数で、答弁を受け合格をもらったら卒業である。

■筆者プロフィール:神田 遊

神奈川県に生まれ、小学生のころから中国の歴史に興味を持ち、本場の歴史を学びたいとの思いから高校卒業後に留学。西安で主に語学を、済南の山東大学で歴史を学んだ。2008年に卒業し、帰国後は中国関係の仕事に携わっている。

■筆者プロフィール:神田 遊

神奈川県出身、小学生のころから中国の歴史に興味を持ち、本場の歴史を学びたいとの思いから高校卒業後に留学。西安で主に語学を、済南の山東大学で歴史を学んだ。2008年に卒業し、帰国後は中国関係の仕事に携わっている。C-POPでは王力宏やMaydayが好き。

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