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日本はなぜ瀕死のTPPをあきらめないのか―中国メディア

人民網日本語版    2016年12月7日(水) 6時20分

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日本メディアの報道によると、安部晋三首相は12月1日、日本を訪問したシンガポールのトニー・タン大統領と会談した。両国の首脳は、「日本とシンガポールは環太平洋経済連携協定(TPP)の推進でともに努力する」との方針を明らかにしたという。

日本メディアの報道によると、安部晋三首相は12月1日、日本を訪問したシンガポールのトニー・タン大統領と会談した。両国の首脳は、「日本とシンガポールは環太平洋経済連携協定(TPP)の推進でともに努力する」との方針を明らかにしたという。新華網が伝えた。

米国で次期大統領に確定したトランプ氏は、就任初日に行政上の手続きをしてTPPから脱退することを明らかにした。このように「リーダー」は脱退を表明したが、日本とシンガポールは手を引くつもりはなく、チームを組んで協力しようとしている。この2つの加盟国で、果たして瀕死のTPPを救えるだろうか。

▽日本とシンガポールがTPPに未練を残すのはなぜか

現在、日本とシンガポールはそれぞれ国内でTPPの手続きを積極的に進めている。シンガポール紙「聯合早報」は2日、シンガポールは来年に法律を改正してTPP実施の準備を整える方針だと報じた。日本は衆議院がTPP法案を可決し、参議院での審議に送られた。

今やTPPは大きな勢力を失った。それでも日本とシンガポールが未練を残し、手を引こうとしないのはなぜか。

日本経済新聞の報道によると、安部首相にとってTPPは成長戦略の柱だ。発効しなければ、「アベノミクス」の土台が崩壊する。そこで少しでも可能性があれば、それを捕まえるために努力するのだという。

またTPPは日本にとって地域経済一体化の問題であるだけでなく、日本が国際的な発言権と影響力を追求し、中国を押さえ込むための重要なツールでありベクターであり、日本が新しい国際ルールの制定に参加する上での「重要ポイント」だ。外交学院国際関係研究所の周永生教授は、「TPPを通じて、日本は経済的に米国との結びつきを緊密にし、さらには米国との各方面における協力を強化したい考えだ。またTPPを通じて日本が利用できる勢力圏を構築し、新しい世界の経済貿易ルールを制定し主導し、経済面で中国と拮抗し、最終的にこうした経済圏を通じて政治・経済・軍事協力の全面的な連携を強化し、中国と効果的に渡り合いたいと考えている」と話す。

シンガポールがTPPを全力で推進する理由は、まずシンガポールが対外貿易に大きく依存していることがある。「聯合早報」によれば、シンガポールのリー・シェンロン首相は以前に取材に答える中で、「大まかに見積もって、TPPが発効すると、シンガポールは1年で10億シンガポールドル(約799億円)の関税を節約できる」と述べた。スタンダードチャータード銀行は、「TPPはシンガポールに3%のGDP成長率をもたらす」との見方を示した。

これと同時に、シンガポールはTPPの失敗が米国のアジア太平洋撤退のシンボルになることをおそれる。シンガポールがなんとしても米国をアジア太平洋にとどめようと焦るのは、米国の目標を迎え入れ、これに協力することで、シンガポール自身の戦略的意図を達成しようと考えるからだ。そうなれば第1に、地域の小国であるシンガポールがアジア太平洋地域の問題でますます大きな影響力をもつようになり、米国のアジア太平洋戦略の支点になることも考えられる。第2に、シンガポールの発展の根幹を保つことになる。

▽日本とシンガポールは瀕死のTPPを救えるか

今年2月、米国、日本、シンガポールなど12カ国がTPPの協定文書委調印した。各国がそれまでに調印した合意を踏まえ、12カ国が調印から2年以内に国内手続きを完了させられなかった場合、協定の発効には6カ国以上の承認が必要で、6カ国のGDP合計が12カ国のGDP総量の65%に達していなければならないとされた。現在、米国の占める割合は60.4%に上り、米国が不参加なら、TPPは正式に発効できない。

それではトランプ氏が考えを変える可能性はあるだろうか。可能性はないわけではないう。日本とシンガポールが力を合わせてTPPを推進するのは、こうした可能性を現実のものにしたいからだ。

読売新聞によると、TPPは存亡の危機に立たされている。日本はこの問題で共通の利益をもつアジア太平洋諸国と盛んに連絡を取り、米国にTPPを確保し推進することの重大な戦略的利益を意識させようとしている。ASEAN諸国では、シンガポールが自由貿易の最大の受益者であり、日本と同様に米国のアジア太平洋地域での重要な同盟国だ。このようなわけでシンガポールは日本のTPPへの関心を十分に理解できるのだという。

だが現在の状況から考えて、トランプ氏のTPP離脱の意志は固いとみられる。トランプ氏は自由貿易に反感を抱き、TPPをめぐる動きは大げさで、虚偽に満ちており、米国が損をしていると考える。また選挙戦で米国人の雇用を取り戻すと何度も約束しており、TPPから脱退して、公約を実現しようとする姿勢、誠意ある姿勢をアピールしようとしている。

トランプ政権が最終的に本当にTPPからの離脱を決定したり、重大な調整を提起したりした場合、TPPは発効できるのだろうか。「日経新聞」によれば、すでにTPPの参加国は調整をめぐる合意を打ち出し、米国抜きでできるだけ早期にTPPを発効させるプランを検討している。

周教授は、「成功の可能性はまだある。なんといっても参加国はこれまでに交渉を尽くしている。ただ影響力の点でいえば、新バージョンのTPPは初めに米国が主導したTPPとはもはや別物だ」と話す。(提供/人民網日本語版・編集KS)

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