Record China 2017年1月2日(月) 8時30分
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31日、韓国の次期大統領選に事実上の出馬宣言に踏み切った国連の潘基文事務総長だが、立候補できるかには、政権与党の分裂と退任後の公職制限という2つのハードルが待ち受けている。写真は潘事務総長。
2016年12月31日、韓国の次期大統領選に事実上の出馬宣言に踏み切った国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長。しかし、年末に任期満了となる潘氏が実際に立候補できるかには、二つのハードルが待ち受ける。支持母体になるとみられてきた政権与党「セヌリ党」の分裂と「退任後の公職制限」だ。
韓国メディアによると、潘氏は12月20日、米ニューヨークの国連本部で韓国報道陣との最後の記者会見を行い、「私が10年間、国連事務総長を務めながら学び、見て、感じたことが韓国の発展に役立つならば、この身を燃やしてでも努力する用意がある」と述べた。事実上、大統領選出馬を宣言したものと受け止められている。
潘氏は世論を意識してか、朴槿恵(パク・クネ)大統領とは一線を画す姿勢を示している。中央日報によると、12月中旬、ニューヨーク出の会合で、「韓国国民は国家のリーダーシップに対する信頼が裏切られたと信じているため、非常に挫折し憤っている」と語ったという。
国際舞台で活躍してきた潘氏には保守系を中心に待望論が根強い。朝鮮日報は「大統領選出馬を決めた潘基文氏に対する国民の期待と懸念」との社説を掲載。この中で「米国のオバマ大統領、中国の習近平国家主席、日本の安倍首相、ロシアのプーチン大統領や世界各国の首脳らと渡り合い、世界各国の問題に取り組んできた潘氏の知識と経験は、今のところ世界では中規模国でなおかつ強大国に囲まれた韓国にとって大いに役立つかもしれない」などと期待感をにじませた。
そんな潘氏にとって立候補の障害になりそうなのが、朴大統領の政権与党「セヌリ党」の分裂。同党は大統領の弾劾訴追をめぐり、非朴系の国会議員29人が27日、離党した。
離党組は来月にも新党を結成し、次期大統領選では潘氏擁立を目指す方針とされる。中央日報は「たもとを分かった親朴、非朴両派が潘基文争奪戦」とも報道。こうした混乱が続けば、選挙態勢づくりにも大きな支障になりかねない様相だ。
さらに、国連総会の「事務総長退任後の公職制限決議」(1946年1月)もハードルになりそう。決議は「国連加盟国は事務総長の退任直後にいかなる政府の役職も提案しないのが望ましい。事務総長自身もそのような(政府の)役職につくことを慎むべきだ」としている。
「退任直後」の明確な規定はないが、これは次期大統領選の実施時期と密接に関連する。本来なら選挙は17年末の予定だったが、弾劾訴追により大幅に前倒しされる可能性が強まった。選挙の時期によっては、野党などが問題視しそうだ。
次期大統領選の有力候補とされるのは、潘氏のほか、最大野党「共に民主党」の前代表・文在寅(ムン・ジェイン)氏、第二野党「国民の党」の前代表・安哲秀(アン・チョルス)氏、ソウル近郊・城南市の李在明(イ・ジェミョン)市長ら。聯合ニュースによると、世論調査会社のリアルメーターが19〜21日に実施した調査で、潘氏の支持率は23.1%となり、8週ぶりにトップに返り咲いた。(編集/日向)
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