中国学者「二人っ子政策でもベビーブーム起きない」、1〜2年後の出産全面自由化を予測―中国メディア

Record China    2017年1月11日(水) 16時50分

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7日、中国ではすべての夫婦に二人目の子どもを持つことが認められるようになって1年がたった。政府は、政策の着地は予測と大体合致しているとしているが、人口学者の多くが「実際の状況は楽観できない」との認識を示している。資料写真。

2017年1月7日、中国では2016年1月にいわゆる「一人っ子政策」が廃止され、すべての夫婦に二人目の子どもを持つことが認められるようになって1年がたった。国家衛生・計画出産委員会は、政策の着地は予測と大体合致しているとしているが、人口学者の多くがこのほど開かれたシンポジウムで「実際の状況は楽観できない」との認識を示している。封面新聞が伝えた。

北京大学政府管理学院の袁剛(ユエン・ガン)教授は「すべての夫婦に二人目の子どもを持つことが認められたが、いわゆるベビーブームは起きていない」と指摘する。

全国婦聯児童工作部と北京師範大学が、北京や遼寧省など10省(市、区)の15歳までの子どもを持つ親を対象に、2016年4月から半年かけて行った調査によると、二人目の出産を望む親は20.5%にとどまり、53.3%は二人目を望まないと考えていることが分かった。経済的に豊かな地域ではこうした傾向が顕著だ。

袁教授は「二線、三線都市(中小都市)の状況も同様に楽観を許さない」と指摘する。中南政法大学が宜昌市で実施した調査によると、出産適齢の女性1人当たりの子どもの数は0.72という驚くべき結果が報告されている。袁教授は「これは二三線都市のケースだ。一線都市(大都市)は述べるまでもない。都市部の出生率は極めて低い。二人目の自由化では問題を解決できない」と話す。

人口問題に詳しいコラムニストの黄文政(ホアン・ウェンジョン)氏によると、農村部も懸念すべき状況だ。制限のない状況下で何人の子どもを欲しいか尋ねる調査では、中国の農村部は、低出生率の日本や韓国よりも低い数字が報告されている。

中国では「一人っ子政策」の厳格な実施により、全国の合計特殊出生率は現在、1.5程度だ。黄氏は「出生率1.5が続けば、50年後の総人口はどう変化しているのか。毎年1000万から2000万の人口が減り続ければ、計算上では人口は50年ごとに55%減少する」とし、「人口の急減、これは恐ろしい傾向だ。毎年の出生数は公式には1600万人とされているが、こうした数字は盛られたものであることは多くの現象から明らかだ。実際には1200万人というところだろう」と指摘する。

中国のシンクタンク「中国与全球化智庫」の梁建章(リアン・ジエンジャン)副主席は、「母数が1980年代生まれに比べてもともと少ない90年代生まれが出産時期を迎える2020年以降、出生率と出生数は現在よりもさらに低くなるだろう。中国の出産政策は、可能な限り早い段階で、全面的な自由化へと調整されるべきだ。二人目の自由化だけでは十分ではない」とし、1〜2年後の全面自由化を予測している。(翻訳・編集/柳川)

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