日本人が嫌いだったおじいちゃん、私の日本旅行の土産話を聞いて「考えが少し変わった」―中国人学生

日本僑報社    2017年2月12日(日) 11時40分

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山東科技大学の蒋雲芸さんは、日本旅行で感じた日本人と、その話を聞いた日本嫌いのおじいさんの変化について、作文につづっている。資料写真。

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「好きになるのも嫌いになるのも自由だけど、まずは相手を知らないと」。そう訴えるのは山東科技大学の蒋雲芸さん。日本人が嫌いなおじいさんといつも言い争いをしていたという蒋さんは、日本旅行で感じた日本人と、その話を聞いたおじいさんの変化について、作文に次のようにつづっている。

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「また日本のアニメを見ているのか。お前らは本当に歴史を忘れた世代だな。お前らはなにも知らないのう。日本人は怖いんだ」。じいちゃんがいつもため息をついて言っていました。「時代はもう変わったんだ。こんなかわいいアニメを創り出せる人たちはきっと優しい人なんだ。知らないのはじいちゃんの方だよ」と私はいつも言い返しました。

大学に受かって家族の反対をよそに、断然日本語科を選びました。もちろん、好きもそれを選んだ理由の一つですが、もっと大事なのは、私は自分の目で日本のことを確かめたかった、見たかったからです。日本のことについて、自分で判断したいと思っています。

初めて日本に行った時、正直に言えば、ちょっと心細かったです。日本の方は中国人のことをどう思うか気になってしょうがなかったです。そして、迎えに来てくれたのは中原さんというちょっと年上のお姉さんでした。きちんとしたスーツ姿に温かい笑顔、それが第一印象でした。挨拶するとき、私は緊張してうまくいきませんでした。そんな私を見て、「大丈夫ですよ。何か問題があったらいつでも遠慮なく聞いてくださいね。私は普通の日本人ですから、そんなに緊張する必要はありませんよ」と彼女が優しく言ってくれました。日本に滞在する間、そんなお姉さんはいろいろな「普通の日本人」の優しさを教えてくれたのです。

みんなで空港からホテルに行く途中、エレベーターに乗った時の話です。中原さんは一番目にエレベーターに乗って、そして、ずっと開くボタンを押して、全員が入ってからようやく指をボタンから離したのです。私は不思議に思って「え、なんで?」と声に出しました。「ああ、これはね、ほかの人がドアに挟まらないようにしているんだよ。一番目にエレベーターに乗った人の責任かな」「ああ、なるほど。素敵。知らなかった。中国にはその習慣がないね」と私は感心しました。「じいちゃんにも見せたいなあ、こんな思いやりの気持ちにあふれている本当の日本を」と私は心の中でささやきました。また、エレベーターを出るときも、中原さんはずっと開くボタンを押して、最後に出たのです。

そんなある日、みんなで一緒にご飯を食べているところに、「日本のこと、どう思いますか」と中原さんはちょっと自信なさそうに聞きました。「いろいろ知らなかったことも勉強したし、日本の方の優しさも実感しています。本当に来てよかったと思います。ありがとうございます」と感謝の気持ちを込めて答えました。すると、「よかったね。認めてくれてありがとう。みんなと付き合ううちに私も中国の方の情熱と親切さを実感しています。いつか全ての中国の方と日本人がこんなふうに付き合う日が来てほしいなあ」と彼女が感動した口調で言いました。「そうなんだ。本当は日本の皆さんにも、私のように日本と中国が仲良くなることを望む人がいっぱいいるんだ。でも、お互い交流するチャンスはなかなかない」と改めて認識しました。

短い日本旅行はすぐ終わりました。家に帰って、じいちゃんに土産話をしました。じいちゃんは土産の梅酒を飲みながら「生まれた時代が時代でなあ、多分わしはお前のように日本を好きになることができないが、お前の努力は認める。わしの考えも少し変わった」と言いました。

私のように日本のことが好きな人もいれば、嫌いな人もいます。日本も同じだと思います。すべての人の考えを同じようにするのも不可能です。そして、好きか嫌いかどっちを選ぶのも人々の自由です。でも、やっぱり自分の立場を選ぶ前に、よく理解する必要があると思います。「とにかく嫌だから、それについて何も聞きたくない、理解する必要はない」という考え方こそ、いろいろな誤解が生じるのです。今回のことで、両国が理解し合える日が来てほしいという気持ちが改めて深まりました。(編集/北田

※本文は、第十一回中国人の日本語作文コンクール受賞作品集「なんでそうなるの?中国の若者は日本のココが理解できない」(段躍中編、日本僑報社、2015年)より、蒋雲芸さん(山東科技大学)の作品「交流は理解を促進する」を編集したものです。文中の表現は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報社の許可を得て掲載しています。

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