「国内旅行を奨励するな」政協委員の発言に業界が猛反発―中国

Record China    2008年3月11日(火) 10時54分

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8日、中国の全国政協委員が「政府は国内旅行を奨励すべきではない」とする意見を発表。「国内旅行は財政に貢献しない」との理由からだという。旅行業界は強く反発している。写真は人気観光スポットの「九寨溝」。

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2008年3月8日、新快報によれば、中国の全国政治協商会議で韋葦(ウェイ・ウェイ)委員が「政府は国内旅行を奨励すべきではない」とする新しい観点を発表した。理由は「国内旅行は財政に貢献しない」からだという。

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政府工作報告の議論の場で、韋委員は、海外からの観光客を増やすことで国の外貨収入を増やすことはできるが、国内旅行は省や地域間でのやりとりに過ぎず、貧困層の就業機会を増やすことはできても、社会全体を潤すことができないばかりか、環境汚染やエネルギー資源の無駄遣い、歴史遺産の破壊につながると発言した。持続的発展という観点から、国内旅行の規模を抑制すべきだとした。

この発言に、広東省の観光業界は強く反発している。ある大手旅行会社は、「国内旅行は市場経済の発展に大きく貢献している」と反論。広州観光協会によれば、2006年の中国の旅行総収入は8935億元(約13兆円)で、国内旅行が全体の69.7%を占め、6230億元(約9兆円)。07年ゴールデンウィークの統計でも、国内の旅行客者数と旅行収入は増加を続けており、国内旅行を抑制することは社会全体にとって何のプラスにもならない。ある業界関係者は、もし国内旅行が抑制されれば、国内の旅行会社だけでなく、関連する交通、ホテル、観光地などの業界にとっても打撃となると話す。

また、広州観光協会の専門家によれば、国内の旅行業界は環境や歴史遺産の保護にも尽力しており、もし国内旅行が抑制されれば、全体の2割に過ぎない外国人観光客からの収入に頼らざるを得なくなり、保護活動にも支障が出るとしている。(翻訳・編集/岡田)

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