<コラム>日本人と中国人で大きく異なる「ありがとう」と「ごめんなさい」の考え方

むらさわりこ    2017年4月6日(木) 15時10分

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ある日夫から「もう俺にありがとうを言わないで欲しい」と言われた。私の頭は「???」である。

中国人夫と結婚したばかりの頃、私はよく彼に「ありがとう」と言っていた。小さい頃から「ありがとうとごめんなさいはきちんと言いなさい」と親から言われていたし、親しき仲にも礼儀ありだと思っていたので、夫にもきちんと「ありがとう」を言うように心がけていた。一方夫に何かをしてあげても「ありがとう」と言われることはほとんどなく心の中で「ありがとうぐらい言えば良いのに」と密かに不満を感じていた。

しかし、ある日夫から「もう俺にありがとうを言わないで欲しい」と言われた。私の頭は「???」である。私のなかで「ありがとう」と口にすることに1ミリのネガティブさも存在しなかったからだ。

夫いわく「中国人は家族の中でありがとうは言わない。だって家族の為に何かをしてあげるのは当たり前のことだから。わざわざ『ありがとう』と言われると他人みたいで何だか寂しい」とのことであった。

それを聞いて私は、どんな時に「ありがとう」を言っていたか思い返す。夫が部屋を掃除した時。帰りに私の好きなスイーツを買ってきた時。料理を作った時。醤油を取ってくれた時。つまりこれらのことは夫にとっては「して当たり前」のことでありわざわざお礼を言われることで、何だか突き放された様な感じがしていたのである。どちらの考え方が正しいという訳ではないが「どんなに親しい人にもありがとうと言う」至上主義であった私は、目からウロコが落ちる思いがしたものである。

それからというもの、私もあまり夫に「ありがとう」を言わなくなった。夫のひとつひとつの好意に思い切り甘えることにしたのである。ちなみに中国人夫は「ごめんなさい」もあまり私に言わない。ありがとうと同じ理屈で「人が家族など親しい人に迷惑をかけてしまうのは避けられない事で、親しい人だったら許すのが当たり前だから」だそうだ。もちろん私もそれは理解できる。しかし、これはすんなり受け入れるのは難しい部分があった。

「ありがとう」と「ごめんなさい」。この2つの言葉に対する日本人と中国人の考え方は大きく違うようだ。

■筆者プロフィール:むらさわりこ

1989年日本生まれ。22歳の時に2歳年上の福建省出身の中国人男性と結婚。英語を独学で習得後、英会話講師として働く傍ら中国のテレビなどを通し中国語も独学で習得。趣味は語学と読書。図書館があまりに好きで毎週通っている。結婚前はベトナム、ニュージーランド、モンゴル、カナダ、ラオス、フランスなど様々な国を一人で渡り歩く。自分のやりたい事や面白い事に国境や言葉の壁は関係ないと考えている。

■筆者プロフィール:むらさわりこ

1989年日本生まれ。22歳の時に2歳年上の福建省出身の中国人男性と結婚。英語を独学で習得後、英会話講師として働く傍ら中国のテレビなどを通し中国語も独学で習得。趣味は語学と読書。図書館があまりに好きで毎週通っている。結婚前はベトナム、ニュージーランド、モンゴル、カナダ、ラオス、フランスなど様々な国を一人で渡り歩く。自分のやりたい事や面白い事に国境や言葉の壁は関係ないと考えている。

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