人民網日本語版 2017年4月20日(木) 20時50分
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株式会社東京商工リサーチがこのほど発表した統計結果によると、2016年度の日本国内での企業破産件数は前年度比3.5%減少の8381件だった。
株式会社東京商工リサーチがこのほど発表した統計結果によると、2016年度の日本国内での企業破産件数は前年度比3.5%減少の8381件だった。8年連続で低下し、26年ぶりの最低も更新した。これと同時に、東京証券取引所のデータをみると、同期に取引を行った上場企業約4000社のうち、破産した企業は1つもなかったことがわかる。
日本政府はこれを「アベノミクス」の成果と喧伝するが、アナリストの多くはそうした見方をしていない。アナリストたちは、日本のゾンビ企業への対応が力不足で、淘汰されるべき企業が速やかに市場から撤退していない状況を反映するにすぎない、との見方を示す。
前回、上場企業の「破産ゼロ」を記録したのは1990年のこと。当時の日本経済は過熱状態にあり、国内総生産(GDP)の成長率が5.5%に達したが、今はわずか1%を維持する程度にすぎない。東京商工の分析によれば、株式市場の安定、簿外資産の価値拡大だけでなく、大規模な金融緩和政策の下での超低金利、融資がたやすく受けられることが破産企業減少の原因だ。経済協力開発機構(OECD)の報告では、政府が経営状態のよくない企業を過剰に支援するため、ゾンビ企業は破産することなく、企業の再編が遅れる。こうした資源の分配の誤りによって、成長性のある企業が十分な投資を受けられなくなり、日本の潜在的な経済成長率は低いままなのだという。
統計によれば、日本の企業の67%を占める登録資本金が1億円以下の中小企業は、利益がないので法人税を納められずにいる。日本の金融庁が全国の地方銀行を対象に行った最新の調査によると、「中小企業金融円滑化法」をふまえて借入金の償還期限を変更した企業15万社のうち、53%は「経営が改善されていない」企業で、43%は「借入期間を延長して5年以上にした」企業だ。
証券市場は本来は優良企業を見いだすメカニズムだ。「アベノミクス」で金融緩和政策が実施されると、日本銀行(中央銀行)は毎年3兆円から6兆円の規模で上場投資信託(EFT)を購入し、昨年末時点で、日本の株式市場の時価総額の2%を保有し、ますます多くの上場企業の大型株主になっていった。日銀の下支えがあるため、経営状態が極めて平凡な一連の企業も株価が下支えされ、市場の優勝劣敗の機能が損なわれることになる。
過去20年間の産業の再編から、政府の関与への過度の依存という日本の問題が明らかになった。21世紀になると、家電、コンピューター、液晶パネルなど、日本がこれまで得意としてきた優勢産業が、国際競争の中で徐々に勢いを失っていった。日本政府は企業が海外資本を積極的に導入してグローバルバリューチェーンに融合することを奨励するのではなく、政府が出資して株式を保有する株式会社産業革新機構が資金を出し、大手企業各社の損失を出している部門に対し「同類のもの同士を合併させ」、チームでの海外進出をねらおうとしている。だがこうした弱い者同士の「弱弱連合」はこれまで成功した試しがない。古い企業が破産して撤退しなければ、新しい企業が入り込む余地はない。ゾンビ企業は日本企業を投資不足に追いやり、市場競争を過剰にさせ、商品価格を低迷させ、ビジネスサイクルの回転を止めてしまう。
ゾンビ化した企業の淘汰のカギは政府が管理制度の緩和を加速させることと、市場を活力に満ちた新参者に譲ることにある。安倍政権が13年に打ち出した「日本再興戦略」では、中小企業の新陳代謝能力を高めることによる経済活力の活性化の必要性が認識され、日本企業の開業率を現行の4.5%から英米並みの10%に引き上げるべきだとされた。だが企業の起業意識は政府の青写真で決まるものではない。遅れた産業への保護をやめ、新興企業により多くの可能性を与え、金融緩和の下での「ゼロ破産」の幻想が構造改革の歩みのじゃまをしないようにすることが、経済の活力を増大するカギになる。(提供/人民網日本語版・編集/KS)
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