国家副主席・習近平(シー・ジンピン)氏の妻であり、次期ファーストレディに最も近い女性とも目される彭麗媛(ポン・リーユアン)は、中国では知らない人のいない国民的人気歌手。2007年にはジャッキー・チェンらとともに「芸能人好感度大賞(演芸名人公衆形象調査年度大奬)を受賞しており、その好感度の高さが夫の人気までも支えていると言われている。

【その他の写真】

文化大革命を数年後に控えた1962年、山東省に生まれた彭は、父親が県文化会館の館長、母親が県劇団の団員というまさに芸術一家に生まれ、幼い頃から音楽に囲まれて育った。幼少から歌の才能を発揮し、18歳で人民解放軍に文芸戦士として入隊。中国音楽学院入学後の1982年、20歳の時に、「中国の紅白歌合戦」と言われる年末番組「春節聯歓晩会」出演への切符を手にするのである。 以来、「春節聯歓晩会」といえば彭麗媛というほど、同番組の常連として君臨している。

「国家一級演員」という国お墨付きの肩書きを持ち、中国人民解放軍総政歌舞団所属の芸術監督として、彼女は全国各地の兵士と民衆のために公演活動にいそしみ、数多くの海外公演もこなしている。また、中国音楽家協会理事、上海師範大学音楽学院教授、北京大学教授などを兼任、音楽界の重鎮として活躍中である。

また、1985年に共産党に入党し、軍代表として第8期〜11期全国政協委員にも就任し、中国青年連合会常務委員を務めるなど、国家に貢献する姿勢は夫に負けないほどである。

国民的スターとなっても、1人の妻であり、母であり、生活者であることを大切にしているという麗媛。その私生活はベールに包まれているが、習近平とは彼が福建省アモイ市の副市長だった頃に見合いを通じて出会い、互いにひと目惚れをして1987年に結婚、一女に恵まれている。普段はスポーツウェア姿で市場に買い物に出かけ、周囲に驚かれることもしばしばという、飾り気のない気さくなイメージが国民に愛されている。

■彭麗媛(ポン・リーユアン)

1962年11月20日、山東省生まれ。元・中国人民解放軍総政歌舞団所属の一級歌手。代表的なヒット曲に「父老郷親」「チョモランマ」など。私生活では習近平国家副主席の妻であり、一女の母。(翻訳・編集/愛玉)