八牧浩行 2017年6月15日(木) 18時20分
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香港「雨傘運動」(2014年)に参加した学生らが、昨年4月に結成した政党「香港衆志」の黄之鋒秘書長と周庭常務委員が来日し、日本記者クラブで会見。香港の高度な自治を保障した1国『2制度』が脅威にさらされている、と訴えた。写真は会見する黄氏(右)と周氏。
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2017年6月15日、香港行政長官選挙の民主化を訴えた「雨傘運動」(2014年)に参加した学生らが、昨年4月に結成した政党「デモシスト(香港衆志)」の黄之鋒(ジョシュア・ウォン)秘書長と周庭(アグネス・チョウ)常務委員が来日し、日本記者クラブで会見。香港の高度な自治を保障した1国『2制度』が脅威にさらされ、『1.5制度』になっている、と訴えた。ともに20歳で、それぞれ香港公開大学と香港パプテスト大学に在籍している。同党は昨年9月の立法会(議会)選挙で1議席を獲得した。
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2人は香港の中心部を占拠した2014年のデモ「雨傘運動」の元リーダー。黄之鋒氏は「香港では民主主義や人権尊重が中国や香港政府の圧力で危うくなり、(香港の高度な自治を保障した)1国『2制度』が『1.5制度』になっている」と批判。「国際社会と連帯して阻止したい」と訴えた。
さらに、香港の自治権が侵害され、返還協定で認められた言論やデモの自由が脅かされていると指摘。雨傘運動に参加した人たちが逮捕されるなど政治的な迫害を受けたり、書店関係者が中国当局に一時拘束されたりしている、と明かした。さらに政治的自由や経済的な自由も脅威にさらされている、と指摘した。
7月1日の香港返還20周年に合わせ、中国の習近平国家主席が就任後、初めて香港を訪れる見通しだが、同党などが10万人規模の抗議デモを計画しているという。
中国からの独立を求める運動があることについて、黄氏は「我々は香港独立を主張しておらず、香港政治の将来は香港人に決める権利があると主張している」とあくまでも“自決派”であることを強調した。
周庭氏は、香港市民の間には、(1)現状を認めものを言わぬ人たち、(2)民主主義を求める人たち(3)独立を求める人たち―が存在することを認めた上で、今後の同党の基本方針について、「住民選挙運動、デモをはじめとする社会運動、日米英や台湾などとの国際連帯により、香港の将来のために頑張りたい」と語った。
今回の来日では東京大はじめ日本の大学の大学生と意見交換したという。(八牧浩行)
■筆者プロフィール:八牧浩行
1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。東京都日中友好協会特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著・共著に「中国危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外国為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。
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