<在日中国人のブログ>中国人がほめまくる日本のサービス、でも「銀聯カード」使用に課題も

黄 文葦    2017年7月1日(土) 18時30分

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今、日本では、どこでも中国の銀聯カードのマークを見かける。多くの店が「銀聯カード使用歓迎」とアピールしている。数カ月前、私も中国の銀行で銀聯カードを入手した。日本で使ってみたが、意外とスムーズにはいかなかった。資料写真。

今、日本では、どこでも中国の銀聯カードのマークを見かける。多くの店が「銀聯カード使用歓迎」とアピールしている。数カ月前、私も中国の銀行で銀聯カードを入手した。日本で使ってみたが、意外とスムーズにはいかなかった。

私の経験では、化粧品専門店と東急ハンズの店員さんのほとんどが銀聯カードの取り扱いになれている。おそらく、訪れる中国人観光客が多いためだろう。しかし、飲食店では銀聯カードに慣れていない店員さんが多くて、何度もやり直してからやっと成功するケースがよくある。店員さんが銀聯カードの取り扱い方法を知らないこともあった。

6月のある日、私は池袋サンシャインの飲食店で食事をした後、会計のカウンターに銀聯カードのマークが見えたので、銀聯カードを店員さんに渡した。しかし、中国人の店員さんは難色を示した。「私は新人なので、銀聯カードの使い方がまだわかりません。現金支払いかほかのカードでの支払いをお願いできませんか」と中国語でこっそり話してきた。私は「ダメです。すぐ店長さんを呼んで下さい。あなたはすぐに銀聯カードの使い方を覚えてください」と拒否した。結果、店長さんが来て手本を示してあげていた。

私は戸惑った。なぜこの店員さんはカードの決済方法すらわからないまま会計のカウンターに立てたのだろうか。店側の教育が足りないと言わざるを得ない。買い物で日本のクレジットカードを使う場合、普通、暗証番号を入れる必要はない。スーパーで買い物する際に、カード決済にはサインも要らない。しかし、銀聯カードの場合は暗証番号とサインの両方が必要だ。こういった理由で、決済のシステムと操作は煩雑と言える。とはいうものの、店員さんがカードの取り扱い方法を知らないとは、サービス業では論外なことである。

また、日本旅行に来た中国の友人が日本で銀聯カードを使った際に、トラブルが発生したらしい。銀聯カードが使えるはずの大手家電量販店で「使えない」と言われ、がっかりしたという。

近年、日本のサービス業が中国人観光客を誘致するため、さまざまな対策に取り組んでいる。銀聯カード決済システムを導入することもその中の1つである。もし、「中国人観光客を呼びこむにはどうしたらよいのでしょうか」と聞かれたら、「さりげなく日本のサービスの良さを見せれば良い」と答えたい。実際に、大勢の中国人観光客が日本のサービスは素晴らしいとほめまくっている。

そして、銀聯カード決済トラブルというサービスの瑕疵(かし)を取り除けばいいのだ。ちなみに、現在中国では、携帯があれば何でも買えると言われている。中国のモバイル決済市場が急成長し、電子決済はすでに日本を超えた気もする。日本銀行は今年6月のレポートで、日本でのモバイル決済の利用率が6.0%なのに対し、中国は98.3%だと書いた。そのため、中国人観光客の目線から見ると、日本の決済事情は時代遅れとなっているのかもしれない。

それにしても、日本で暮らす中国人留学生は銀聯カードの恩恵にあずかっているというべきである。親が中国で日本にいる子どもの銀聯カードに入金し、子どもが日本の銀行あるいはコンビニのAIMでどんどんお金を引き出す。日中ビジネス、そして日本人と中国人を繋ぐ銀聯カード。これからも日本での「活躍」を期待したい。

■筆者プロフィール:黄 文葦

在日中国人作家。日中の大学でマスコミを専攻し、両国のマスコミに従事。十数年間マスコミの現場を経験した後、2009年から留学生教育に携わる仕事に従事。2015年日本のある学校法人の理事に就任。現在、教育・社会・文化領域の課題を中心に、関連のコラムを執筆中。2000年の来日以降、中国語と日本語の言語で執筆すること及び両国の「真実」を相手国に伝えることを模索している。

■筆者プロフィール:黄 文葦

在日中国人作家。日中の大学でマスコミを専攻し、両国のマスコミに従事。十数年間マスコミの現場を経験した後、2009年から留学生教育に携わる仕事に従事。2015年日本のある学校法人の理事に就任。現在、教育・社会・文化領域の課題を中心に、関連のコラムを執筆中。2000年の来日以降、中国語と日本語の言語で執筆すること及び両国の「真実」を相手国に伝えることを模索している。

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