AIIB加盟に積極的な姿勢を示す日本の思惑とは?―中国紙

人民網日本語版    2017年7月1日(土) 10時30分

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最近、日本がアジアインフラ投資銀行(AIIB)加盟に積極的な姿勢を示しつつある。

最近、日本がアジアインフラ投資銀行(AIIB)加盟に積極的な姿勢を示しつつある。6月に開催されたAIIB第2回年次総会では、アルゼンチン、トンガ、マダガスカルの加盟申請が承認され、AIIBの加盟国は80カ国へと増加、日米主導のアジア開発銀行(ADB)の加盟国数を上回った。日本メディアは、「欧州復興開発銀行(EBRD)の設立を支持した時、日本は一緒に加入するよう米国を説得した。今、日米は、AIIB加入を真剣に検討すべき時だ」と指摘している。国際商報が報じた。

実際には、日本がAIIB加盟に積極的な姿勢を見せたのは今回が初めてではない。5月に北京で開催された「一帯一路」(the Belt and Road)国際協力サミットフォーラム終了後、安倍晋三首相はAIIBへの参加について、「前向きに考える」との見方を示した。

〇AIIB加盟をめぐる日本の駆け引きの背後にあるものは?

中国社会科学院日本研究所の研究員・張季風氏は、国際商報の取材に対して、「ADBは、AIIBに対してずっとポジティブな姿勢を示している。それは次の二つの面からも分かる。一つは、日本主導のADBとAIIBは常に連絡を保ち、協力する関係にある。AIIBの第一陣のプロジェクトのうち、パキスタン・パンジャーブ州のショルコットとケーンウォールをつなぐ高速道路の区間への資金提供は、AIIBとADB、英国の国際開発局(DFID)が共同で行った。もう一つは、AIIBが創設されたばかりの時、ADBの中尾武彦総裁は、『AIIBと投資の面で協力したい。ADBとAIIBは協力パートナーであって、ライバルではない』との見方を示した」と指摘した。

しかし、張氏は、「AIIBに対する、日本の政界、経済界、企業界の見方はそれぞれ異なり、対立する意見もあることにも注意しなければならない。企業のほとんどは支持する姿勢を示しているのに対して、政界では、成り行きを見守ったり、重要視しなかったり、さらには、拒絶したりする姿勢が見られる」と指摘する。

実際には、日本の政界から出されるシグナルがちぐはぐとしている時もよくある。例えば、安倍首相がAIIB参加に積極的な姿勢を示した翌日に、日本政府の複数の高官が、「参加に慎重な政府の立場に変更はない」との考えを強調した。それらの政界関係者は、AIIBとADBは競合する可能性があり、日本が地域のインフラ建設に対する融資を促進する面で、メリットもあればデメリットもあると見ている。それでも、日本政府のAIIBや「一帯一路」イニシアティブに対する姿勢を緩めたことは確かであるようだ。

中国現代国際関係研究院日本研究所の副研究員・劉雲氏は国際商報の取材に対して、「日本がAIIBに対して積極的な態度を示すようになっているのは、政治的目的がある。まず、日本政府は、安倍首相と中国の習近平・国家主席の首脳会談を実現するために、良いムードを造り出したいと願っている。次に、日本政府の政治面や経済面での注目ポイントは少なく、中国との関係を改善する必要がある。その他、外交面において、日本は、米国、ロシアなどとトラブルが生じており、中国がそれを緩和することを望んでいる。経済的な面では、日本も中国を必要としており、『一帯一路』イニシアティブやAIIBは、日本の経済発展にとって、大きな助けとなる」との分析を語った。

〇日本が加盟するかは米国次第

では、最終的に、日本はAIIBに加盟するのだろうか?張氏は、「長期的に見ると、日本がAIIBに加盟する可能性は高い。しかし、具体的な時期については、米国の姿勢にかかっている」と予想する。

劉氏も、「日本がAIIBに加盟するかは米国にかかっている。つまり、中日関係が調整できるかは、中米関係が調整できるかにかかっているということ」とし、「日本は、『一帯一路』イニシアティブが、日本の東南アジアなどの地域の沿海の港の施設や航路、道路などの建設を含む、国家戦略と競合することを懸念している」と強調する。

その他、劉氏は、「最近、安倍首相や安倍政権の姿勢を見ても分かるように、AIIBに対する日本政府の姿勢は以前のように反感のあるものではなくなったが、AIIBへの加入を決めることに関しては、日本政府は誠意に欠けている。安倍首相がAIIBに言及する時は、いつも透明性、公平性の重要性を語っている。最近開催された日本経済学会の年次総会で、在中国日本大使館の岩永正嗣公使は、『一帯一路』イニシアティブに言及した際、『日本はクオリティの高いインフラを有しており、中国と協力することができる』と語った」と指摘した。

そして、「日本の政界とAIIBの間に横たわる最大の障害は、日本政府の考え方。2010年に中国の国内総生産(GDP)が日本を超え、15年には日本の2倍に達した時、日本経済のアジアにおける地位が揺らいだため、日本の中国を敵視する姿勢が際立つようになっている。中日は、地域経済の発展や地域の秩序管理、世界規模の金融危機抑制など多くの面で、共同利益がある。日本の政界は中国に対する見方を調整し、中国と永続的な協力関係を築くべき」との見方を示した。(提供/人民網日本語版・編集KN)

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