中国とインドの対立が深刻化、「売り言葉に買い言葉」で双方が軍事衝突も示唆

Record China    2017年7月7日(金) 9時30分

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国境問題をめぐる中国とインドの対立が深刻化している。双方の国防や外交関係者は「売り言葉に買い言葉」で軍事衝突すら示唆。両国の緊張状態は1962年以来のレベルとされている。資料写真。

国境問題を巡る中国とインドの対立が深刻化している。インドのジャイトリー国防相が自国について「もはや1962年のインドではない」と発言すると、中国政府・外交部の耿爽(ゲン・シュアン)報道官は「中国も1962年の中国とは違う」と発言。1962年は中印間で戦争が発生した年だ。耿報道官はさらに、「深刻な結果を招かぬよう、直ちに部隊を撤退させよ」とも述べるなど、双方の応酬が続いている。

対立深刻化のきっかけは、中国軍がブータンとの係争地に向け道路の建設を始めたことだった。インドは安全上の問題にかかわるとして隣接するシッキム州に兵力を展開した。中国側はインド側が越境したと非難。自国が根拠とする1890年締結の「中英会議蔵印条約(チベット・シッキム)」による境界線を、英国から独立後のインド政府も認めてきたと主張。インド軍が作った塹壕(ざんごう)を破壊するなどもした。しかしインド側は、該当地域における国境線は未確定であり、交渉が必要と主張している。

ブータン・ニュース・ネットワークは6月28日、中国とブータンは国境問題について交渉をしてきており、中国側は具体的な提案を示したこともあると指摘する一方で、「インドは戦略面の理由からブータンの対中外交を制限している」と批判する記事を掲載した。

中国とインドは1962年、国境をめぐる対立やインドがダライ・ラマの亡命を受け入れたことで、大規模な軍事衝突であり事実上の戦争である中印国境紛争を起こしている。双方とも相手側の侵入が発端だったと主張しているが、実際には周到な準備をしていた中国側が圧勝した。

インドのジャイトリー国防相は7月2日までに、「1962年と情勢は異なる。2017年のインドは同じではない」と発言。すると中国外交部の耿報道官は3日の記者会見で「彼(ジャイトリー国防相)の言ったことは正しい。、2017年のインドは1962年のインドとは同じでない。同じように、2017年の中国も1962年の中国と同じではない」と発言し、双方の主張は「売り言葉に買い言葉」状態になった。

耿報道官はさらに、5日の記者会見で「深刻な結果を招かぬよう、直ちに部隊を撤退させよ」と主張。中印両国は、双方が軍事衝突すら示唆する発言の応酬を繰り返す状態になった。

中国は1962年以降、インドとの直接の対決は最小限に抑え、インドと対立するパキスタンの支援に力を入れるようになった。現在の中印両国の直接の緊張状態は1962年以来のレベルとされている。(翻訳・編集/如月隼人

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