<点描・北京五輪>朝倉浩之の眼・五輪聖火、チョモランマに登頂成功!全土に生中継

Record China    2008年5月8日(木) 12時0分

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世界最高峰チョモランマ(標高8848m)への登頂を目指してチャレンジした登山隊が8日午前9時すぎ(日本時間10時すぎ)、頂上に到達した。写真はCCTVの生中継。

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北京五輪の聖火が世界最高峰に立った…

世界最高峰チョモランマ(標高8848m)への登頂を目指してチャレンジした登山隊が8日午前9時すぎ(日本時間10時すぎ)、頂上に到達した。

アタック隊は8日午前3時(日本時間午前4時)にキャンプ(8300m)を出発。頂上付近では、聖火が特殊トーチにともされ、王勇峰隊長のスタートの合図とともに、リレーを開始。メンバーが次々と聖火をつなぎ、頂上に到達した。

頂上では、メンバーたちが中国国旗と五輪のシンボルマークを掲げ、成功を祝った。

中国中央テレビは午前6時から生中継を行い、登頂成功の様子を中国全土に伝えた。

私は朝一番から、早起きして、放送開始から、テレビにかじりついていた。長年の準備期間とトレーニングを経て、任務を完成させた登山隊のメンバーには、心から拍手を送りたいと思った。その過程、準備、ここに至るまでの苦労は並大抵のものではない。“国威発揚”が目的と、こういった取り組みに背を向ける声も海外では多いが、こういった一つ一つのパフォーマンスが国民を元気にしていき、それが北京五輪の成功につながるのだと思う。

ところで、私はテレビ出身だから、彼らの登頂はもちろんだが、そのテレビ中継にも、非常に興味があった。

私が中学生のころ、日本テレビが世界で初めて、チョモランマからの生中継を成功させた。そのテレビ画面は、今も鮮明に覚えている。テレビのすごさを思い知らされた瞬間だった。

標高8000m以上の高所から映像を送り続けることの難しさは想像以上だ。今回の中継でも、「伝送」を担当するスタッフが小雪と風と低温の中、身じろぎもせず、機材を操っている姿が紹介された。

時々、映像が途絶え、黒画面が出るし、司会者も時間つなぎに四苦八苦して、無言になってしまうなど、「生らしさ」が随所に見えた。それこそが生中継の醍醐味。中国式の予定調和の映像と、台本どおりの司会が続く番組ばかりを見ていた私にとっては、久々に、「本当に面白い」生中継だった。

だからこそ、最後にメンバー全員がチョモランマ頂上に達して、思い思いのガッツポーズをしている風景には純粋に感動した。作り物ではない、本物の喜びが画面にあふれていたからだ。

日本のテレビで最近ありがちな、感動を強制するようなBGMや演出もない。ただ、その場にあるものを映し、送り出していて、それが却って臨場感を高める。

何だか、スポーツ記事というより、テレビ評になってしまった。だが、今回のチョモランマ登頂は、中国のテレビ中継の技術力が十分感じられるものだったことは間違いない。

<注:この文章は筆者の承諾を得て個人ブログから転載したものです>

■筆者プロフィール:朝倉浩之

奈良県出身。同志社大学卒業後、民放テレビ局に入社。スポーツをメインにキャスター、ディレクターとしてスポーツ・ニュース・ドキュメンタリー等の制作・取材に関わる。現在は中国にわたり、中国スポーツの取材、執筆を行いつつ、北京の「今」をレポートする中国国際放送などの各種ラジオ番組などにも出演している。

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