ソウルの路線バスに慰安婦像と乗り合わせた乗客たち=11歳少年は像に「びっくり」、日本からの観光客も

Record China    2017年8月15日(火) 16時0分

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14日、ソウルで慰安婦を象徴する少女像を座席に設置した路線バス5台が運行を始めた。実際にこのバスに乗った韓国の人たちはどんな思いを抱いただろうか。韓国メディアの報道からコメントを拾ってみた。写真はソウル・日本大使館前の慰安婦像。

2017年8月14日、ソウルで慰安婦を象徴する少女像を座席に設置した路線バス5台が運行を始めた。同日の「世界慰安婦の日」に合わせ始まった取り組みで、この日試乗した朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長が「バスに乗りながら少女像を見て、慰安婦として犠牲になった多くの人々を追悼することができる」とその意義を語ったことなどが日本で報じられた。

10日の報道で計画が明らかになった当初、韓国のネット上では「さすがにやり過ぎでは」など否定的な意見もあったバスへの像設置だが、実際にこのバスに乗った韓国の人たちはどんな思いを抱いただろうか。韓国メディアの報道からコメントを拾ってみた。

像の肩にそっと手を置くなどしてそれぞれ像との「初対面」を果たした年配の乗客の一人、74歳のイさんは「(像が設置された)151番バスはいくつもの大学や中学・高校の前を通るだけに、こんなに近くで像を見られること自体が教育に役立つだろう」と話した。

像近くの席に座り熱心に写真を撮っていたナさん(65)は「女性の一生としてみても、あまりにむごく胸の痛いことだ」として「慰安婦問題が一日も早く、きちんと終結されることを望む」と語った。ナさんのように像を写真に収めようと席を立つ乗客が多いため、運転手のキムさん(46)は「撮影タイム」を待って出発することもあったそうだ。

バスが日本大使館近くを通る際には、慰安婦を描いた韓国映画「鬼郷」のサウンドトラックから曲が流れる。この曲を聞いた女子高生のチョンさん(17)は、「おばあさんたちは私のような年頃で慰安婦として連れて行かれたのでしょう?どれだけ残酷だったか、考えると胸が痛い」と話した。

乗車の30分余り、「少女像の視線で窓の外を眺めた」という大学院生のキムさん(32)は、「これまで同じ場所に座っていてもどかしかっただろう」と像の心情に心を寄せ、「(バスに乗って)ソウルの街の発展した姿を見物し、市民たちに慰安婦問題を広めてくれるといい」と希望を語った。

ニュースでしか像を見たことがなかったという11歳のチェ君は、「誰かが席に座っているなあと思ってよく見たら少女像だった」とびっくり。「すぐ後ろの席から像を見ていたら、慰安婦被害を受けたおばあちゃんたちの痛みが伝わってくるようでつらかった」と話した。

こうして像設置に対しては総じて肯定的な発言が多いが、世界日報は、「像があるのは不便だ」との視線も一部存在すると伝えている。20歳のコさんは「少女像があるのはうれしいけれど、通勤時間に像のせいで席が足りなくなりそう」と懸念。また、像を見るためバスを1時間待っていたという日本人観光客(56)は「慰安婦問題を韓国人に広めるのもいいが、この問題では日本人に歴史的事実を知らせる努力が足りていないと思う」と話したそうだ。

ちなみにこの5体の少女像、それぞれ1人分の座席を占領することから、バスが運行される9月30日までの毎日各1200ウォン(約120円)の運賃を支払うという。(編集/吉金

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