「爆買い」する中国人と、それを冷ややかな目で見る日本人の姿を目に焼き付けよ―中国人学生

日本僑報社    2017年8月27日(日) 13時30分

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最近ではすっかり勢いが衰えた中国人観光客の「爆買い」。青海民族大学の[イ冬]徳さんは、「爆買い」以外に中国人観光客がすべきことについてつづっている。資料写真。

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最近ではすっかり勢いが衰えた中国人観光客の「爆買い」。青海民族大学の[イ冬]徳さんは、それが一過性のものだと気付いていたようだ。では、「爆買い」以外に中国人観光客がすべきことは何なのか。[イ冬]さんは次のように作文につづっている。

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爆買いは、悪いことだろうか。日本に行って日本の製品をたくさん買う。中国政府がどう思うかは別として、日本人にとっては悪いどころか歓迎されて当然のはずである。ならばどうして、中国人の爆買いがマイナスのイメージを持っているのか。

一つ目は、中国人のマナーの悪さにある。レジに割り込んだり、店の中で大騒ぎしたり、しつこく値切ったり、万引きしたり、インターネットで調べてみれば何百件もヒットする。しかしそれは、たくさん買うことと直接の関係はない。爆買いと中国人のマナーの悪さがセットで語られるから、爆買いには悪いイメージがつきまとう。

ではもし、マナーが悪くなかったら、爆買いは日本人の目にプラスに映るのだろうか。いや、そんなことはないと私は思う。買うのが中国人だから、日本人は少し茶化した意味で「爆買い」と言うのではないか。これが二つ目の理由である。中国の技術力は、数十年前まで日本の足元にも及ばなかった。そんな国から来た旅行客が、日本では別に珍しくもない製品を買いあさる。日本人にとっては優越感と、成り上がり者に対する差別感情が、根元にあるような気がしてならない。相手がもしアメリカ人だったら、爆買いとは言われてないのではないか。

中国人が爆買いする理由はたくさんある。日本の製品は性能が良くて壊れない。日本製を大量に仕入れて中国で売る。お土産や賄賂にして自分のメンツを上げる。これらを考えれば、中国社会の現状が見えてくる。

日本の製品の一番の魅力は、その信頼性にあるだろう。中国の企業はただ売れればいいと考えているから、どんなに壊れやすくても、たとえ宣伝文句と性能が違っても関知しない。「騙される方が悪い」のである。だから買う側も、企業を信じない。どうせすぐ壊れることがわかっているから、少しでも安いものを買い、壊れても諦める。そこに、売る側と買う側の信頼関係など育つはずがない。だから日本で便器を買う。炊飯器を買う。化粧品や薬を買う。そしてそれらを、外国に旅行できない人たちに高く売りつけたり、自分のステータスを認めさせようと他人にプレゼントしたりする。日本に行ったことがない私のひがみかもしれないが。

さて、中国人は日本で、爆買い以外に何ができるのか。富士山を見たり、温泉に入ったり、本場の日本料理を食べたり、文化を体験したり、せいぜいそれくらいだろう。しかし、そのどれをとっても、旅行なのだから当たり前である。わざわざ「爆買い以外に」などと言われなくても、世界中の旅行者なら大抵やっている。農村を体験するとか、一般家庭に滞在するなんて人もいるかもしれない。だが、そんなことは自分の国でまずやってみるとよい。海外旅行ができる経済力のある中国人は、中国の農村部がどれほど悲惨な状況にあるのかを知っているはずだ。それを知ったうえで、自国の現実から目を背けている中国人が、外国の農村などに行って何の意味があるだろう。

結局、旅行で日本を訪れた中国人が、旅行以外にできる特別なことなど全くない。ただ、私は思う。もしひとつだけあるとしたら、爆買いしている中国人の姿をじっと見つめることだ。日本人に内心で笑われながらも、必死にメイドインジャパンを買い求める同胞の姿を見て、それを忘れないこと。私たちは知っている、中国にも日本と同じ製品を作る技術力があることを。私たちは知っている、中国製のものは信頼できないことを。そして私たちは知っている、この爆買い現象が長くは続かないことを。中国人が日本で、爆買い以外にできること。それは、爆買いする中国人とそれを冷ややかな目で見る日本人の姿を目に焼き付け、その意味を考えることだ。(編集/北田

※本文は、第十二回中国人の日本語作文コンクール受賞作品集「訪日中国人『爆買い』以外にできること」(段躍中編、日本僑報社、2016年)より、[イ冬]徳さん(青海民族大学)の作品「爆買い―忘れてはいけないこと」を編集したものです。文中の表現は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報社の許可を得て掲載しています。

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