Record China 2020年5月23日(土) 10時20分
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21日、中国紙・環球時報は、反グローバリズムにおける「脱中国化」に警戒すべきだとする上海外国語大学の範鴻達教授の記事を掲載した。写真は天安門広場。
2020年5月21日、中国紙・環球時報は、反グローバリズムにおける「脱中国化」に警戒すべきだとする上海外国語大学の範鴻達(ファン・ホンダー)教授の記事を掲載した。
範教授は、グローバリズムは「諸刃の剣」であり、益を受ける国と失望する国があると言われていて、近年では欧米諸国で「グローバリズムの受益者は新興国で、欧米諸国の受ける益は小さい」と見なされるようになったと指摘。反グローバリズムの声は高まっていったという。
その上、新型コロナウイルスの感染拡大で、人と人、国と国の相互依存がもたらす脆弱性に対する心配が増し、多くの人が経済的な相互依存を減らすべきだと考えるようになったと説明。新型コロナがグローバリズムに与えた直接の影響は、「世界の産業チェーンの再編」だと論じた。
感染の拡大前後にかかわらず、米国が反グローバリズムの主導的力になっているという。もともとはグローバリズムの受益者だった米国だが、「トランプ政権発足後は現行の貿易メカニズムが米国の利益を損ねていると声高に主張し、中国をはじめ多くの国に追加関税を課している」と指摘した。そして、「米国は自国中心主義によってグローバル化を破壊しているだけでなく、世界貿易機関(WTO)の仲裁機能もまひさせた」と非難した。
また米国は、反グローバリズムだけでなく「脱中国化」を進めているとも指摘。トランプ政権は米企業の中国から米国への回帰を進めていたが、新型コロナの感染拡大でその声がますます大きくなり、中国撤退の費用を政府が負担するとの意見も出ているという。
さらに、WTOのアゼベド事務局長が任期途中で辞任することで、「米国にとっては意にかなう人物を後継者とする機会がある」と指摘。これに先立ち、「米国は世界銀行総裁にマルパス氏を任命して同様の作用を発揮した」と伝えた。マルパス氏はトランプ大統領に近い対中強硬派として知られている。
このほか、金融面から見ても「米国は米ドルの流動性をサポートするため、多くの国や地域の中央銀行と一時的なスワップ協定を結んだが、中国は含まれていなかった」と指摘した。
こうした「脱中国化」の動きに対し、中国はどう対処すべきなのだろうか。範教授は、まず「対外開放政策を堅持すべき」と主張。中国は開放の扉を閉めることはなくますます大きく広げるとしており、これは政策の文言だけにとどめず実際に実現すべきであると論じた。
さらに「より良いビジネス環境を整え、世界的な産業チェーンにおける中国の立場を強固にすべき」と指摘。多くの米国企業は当面中国から撤退する意思はないとの調査結果があると伝えた。また、「中国が提供する便利さをさらに多くの国に体験してもらう」ことも重要だと主張。「多くの国からの支持を受ければ、少数の国が主張する脱中国化を心配する必要はない」と論じた。(翻訳・編集/山中)
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