米朝首脳会談、「蚊帳の外」の日中両国?中国紙「置き去りと思うべきでない」、「日本外し懸念」と韓国紙

Record China    2018年3月17日(土) 7時20分

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韓国が橋渡し役となり、実現の見通しとなった米朝首脳会談について、中国紙は「置き去りにされたと思うべきではない」と強調。韓国紙は「日本国内で朝鮮半島問題から『日本外し』を懸念する声が出ている」と報じている。写真は北朝鮮。

2018年3月16日、韓国が橋渡し役となり、実現の見通しとなった米朝首脳会談。事態の急展開に日本と中国は「蚊帳の外」に置かれた形だ。中国紙は「置き去りにされたと思うべきではない」と強調。韓国紙は「日本国内で朝鮮半島問題から『日本外し』を懸念する声が出ている」と報じている。

韓国の文在寅大統領の特使として訪朝した鄭義溶国家安保室長と会談した米国トランプ大統領が北朝鮮金正恩・朝鮮労働党委員長の提案を受けて、初の米朝首脳会談に応じる意向を明らかにしたことは、日本同様に中国にとっても「寝耳に水」だった。背景には最近の中朝関係の悪化がある。

中国は米国に歩調を合わせて北朝鮮への制裁を強化。北は強く反発している。昨年11月に習近平国家主席の特使として訪朝した宋濤・中国共産党対外連絡部長は平壌に3泊4日の日程で滞在したものの、金委員長には会えなかった。

朝鮮日報は「習主席ほか中国首脳部が『両会』(全国人民代表大会と全国政協会議)で多忙な時期にもかかわらず、(報告のため訪中した)鄭氏と会談したのは最近の南北および米朝首脳会談の開催合意に関して北朝鮮から事前に何ら説明がなかったことを物語っている」と指摘。「中朝関係がかつてとは異なっているため、北朝鮮から情報を直接聞くことができず、韓国を通して伝え聞くしかないというわけだ」と解説している。

こうした事情を反映してか中国共産党中央委員会機関紙・人民日報系の環球時報は社説で「平常心を保ち、中国が置き去りにされたとの考え方を持つべきではない」と言及、「朝鮮半島情勢の緊張緩和は始まったばかりだ。先にはまだ多くの曲折が待ち受けている。損得にこだわるべきではない」と論じている。

一方、日本に関して朝鮮日報は「日本政府内では日本抜きで主要な話し合いが行われる『ジャパン・パッシング(日本外し)』ではないか」との声も上がっている」と紹介。「当事者が知らないうちに頭の上を通り越して重要な話が次々と決められる状況を意味する『頭越し』という言葉も専門家らの間から出ている」と伝えている。

ハンギョレ新聞も「虚を突かれた日本政府」との記事で、「ジャパン・パッシングが起きれば、日本人拉致被害者や北朝鮮の核・ミサイルの射程距離問題から疎外される可能性があるという憂慮が出ている」と報道。「米国が自国に到達できる大陸間弾道弾(ICBM)の廃棄だけに集中し、日本を射程圏内に置くミサイルの問題はないがしろにしかねないということだ」との見方を示している。(編集/日向)

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