八牧浩行 2017年10月12日(木) 5時0分
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モロッコからのイスラム移民であるアブターレブ・オランダ・ロッテルダム市長が日本記者クラブで会見。市民は移民、人種、信仰などで差別されず、宗教の自由、無差別という原則的な価値観に基づいて、平和で豊かな社会づくりに参加する権利と責任があると持論を展開した。
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2017年10月11日、モロッコからのイスラム移民であるアブターレブ・オランダ・ロッテルダム市長が日本記者クラブで会見した。市民は、移民、人種、信仰などで差別されず、「宗教の自由」「言論の自由」「無差別」という原則的な価値観に基づいて、平和で豊かな社会づくりに参加する権利と責任があると持論を展開。その上で「最も重要なのは教育であり、教育によって移民や難民でも平等になれ、上に上がれる」と強調した。
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15歳でモロッコからオランダに移民したアブターレブ氏は、同国大都市の市長として初の移民系イスラム教徒で、社会雇用省副大臣の経験もある。
アブターレブ市長の発言要旨は次の通り。
市民は、移民、人種、信仰などで差別されず、「宗教の自由」「言論の自由」「無差別」という原則的な価値観に基づいて、平和で豊かな社会づくりに参加する権利と責任がある。参加する人が多いほど、いかなる時も強くて柔軟な社会づくりができる。
市民が積極的に社会貢献活動に参加し、市民と市職員がローカルな問題への解決策について開かれた対話によって政策がつくられた。
政策を書類で発表するのは効率的な方法ではない。私は2009年にロッテルダム市長に就任して以来、地域コミュニティで市民集会双方向の対話会を8年以上にわたり、年に20回以上開催している。市民が抱く懸念について直接市民と話し合うことによって効果的な対話が可能となり、街の声を政治に反映させることができる。
シリアなどからの難民の避難所を設置してほしいとオランダ政府から要請があり、設置を対話の中で発表した。600人ぐらい収容できるテントを作ることを計画し、説明した。全国放送の多くのカメラの前で、「おろかだ」と決めつけられたが、最後には分かってもらえた。。
ロッテルダムは米ニューヨークより複雑な街。174カ国から移民が来ている。移民は入国当初は清掃員が多く、次第に調理人などいろいろな仕事をするようになり、共通の価値観を受け入れるようになる。
世界に6000万人以上の難民がいると言われている。気候変動や戦争が原因だ。世界16位のオランダより(小国の)ガーナが多く受け入れている。
人は皆同じである。すべてのオランダの国土にいる人は等しく扱われ、良い待遇や地位を与えられなければならない。
最も重要なのは教育であり、教育によって平等になれ、上に上がれる。ロッテルダムは私のようなイスラム系移民を市長に選んでくれた。オランダは反イスラムの国ではない。極右であれ、極左であれ(極端な政党が)中心を握ったことはない。(八牧浩行)
■筆者プロフィール:八牧浩行
1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、欧州、米国、アフリカ、中東、アジア諸国を取材。英国・サッチャー首相、中国・李鵬首相をはじめ多くの首脳と会見。東京都日中友好協会特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著・共著に「中国危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外国為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。
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