<満点作文>出稼ぎ労働者子女の悲哀と希望を描いた満点作品ダイジェスト

Record China    2008年6月21日(土) 6時34分

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19日、今年の中国の大学入試センター試験で、3年ぶりに満点を取った作文が現れた。「農民工」と呼ばれる出稼ぎ労働者の子女が書いた「他們(彼ら)」だ。写真は江蘇省南京市郊外にある出稼ぎ労働者子女のための小学校。

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2008年6月19日、今年の中国の大学入試センター試験で、3年ぶりに満点を取った作文が現れた。「農民工」と呼ばれる出稼ぎ労働者の子女が書いた「他們(彼ら)」だ。浙江オンラインがその全文を掲載している。以下がその作品の概要。

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■彼ら(他們)

都会のはずれには、繁栄からも、きらびやかなイルミネーションからも見放され、ただ古ぼけたバラックの建ち並ぶ地区がある。そこに「彼ら」は住んでいる。

「彼ら」を何と呼んだらいいのだろう?出稼ぎ工員の子ども?農民子女?それとも出稼ぎ2世?わたしは、そんな冷たい呼び方で彼らを呼びたくはない。「彼ら」は、緑濃く水の清らかなふるさとで、美しい田園風景に囲まれて育った。生活のため、未来のため、「彼ら」は両親と共に都会に根を下ろし、高層ビルや自動車の海に呑まれて暮らしている。その生活には「喜び」という二文字はない。

都会の人々の蔑むような視線に耐えながらひっそりと暮らしている「彼ら」は、「都市戸籍」と「農村戸籍」の格差を思い知らされている。両親の宝として愛されながらも、その幼い年齢にそぐわない苦労を強いられている。粗末な夕飯の食卓には両親の姿はない。彼らは建築現場や農作地で夜遅くまで、汗水を垂らしているのだ。

「わたしたちの学校(出稼ぎ労働者子女のための学校)は小さいけれど、わたしたちは、成績では負けない」「北京オリンピックは、わたしたちのものでもあるんだ!」そう健気に話す「彼ら」。日々、成長していく「彼ら」は、恥じらいを過去に捨て去り、新しい明日を迎えようともしている。

たとえ学費が足りずに苦労しても、たとえ光熱費にも事欠くような学校に通っていても、たとえ彼らを守る社会体制が整っていなくても……たくさんの「たとえ」があっても、たったひとつの「しかし」があれば充分だ。太陽は地平から昇り、都会のはずれを照らす。「彼ら」の生活をも照らす。「彼ら」はそのうち、「わたしたち」と一体化する。(翻訳・編集/愛玉)

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