すたれゆく奇妙な洞穴式住居「ヤオトン」―山西省平陸県

Record China    2008年10月21日(火) 16時30分

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中国西北地区に見られる伝統的な洞穴式住居「ヤオトン」が消滅の危機に瀕していると伝えられた。ヤオトンは黄土地帯の広域に約4000年前から伝わる。

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2008年10月、中国西北地区に見られる伝統的な洞穴式住居「ヤオトン」が消滅の危機に瀕していると伝えられた。チャイナフォトプレスの報道。

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窰洞(ヤオトン)は「地坑院」「地窰院」とも呼ばれ、山西省・河南省・陝西省など黄土地帯の広域に分布する伝統的住居。その構造から中国北部の「地下四合院」とも形容され、約4000年もの間受け継がれてきた。自然の断崖を水平方向に掘るものや、平坦な土地に四角形の穴を掘り、その四辺の壁面に洞穴式住居を掘るタイプがある。後者の場合、中庭の隅から地上に続く通路を掘り、そこを出入口とする。大きいものは数100m四方、小さいもので10数m四方の規模。冬は暖かく夏は涼しく、風や騒音を遮るなどの利点を備えた合理的な住居であるという。

黄河流域に位置する山西省平陸県は渓谷が縦横に走り、古来より洪水などの水害が多く、石などの建材に乏しいことから、2000年ほど前からこのような洞穴式住居が利用されている。60年代ごろまで、住民のほとんどはヤオトンに居住していた。現在では多くのヤオトンが無人となっており、現在でも住み続けているのはほとんどが老人。若者の多くは「ヤオトンは暗くてじめじめしていて、住みにくい」と「地上」へ移住していった。

残された老人らを最後に、数千年続いたヤオトンの歴史にも、ついに幕が下ろされるのかもしれない。(翻訳・編集/愛玉)

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