<話題の本>不世出の京劇女形・梅蘭芳の艶やかなる生涯を読み解く―日本

Record China    2009年3月16日(月) 16時25分

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7日より公開されている話題の映画「花の生涯―梅蘭芳」。この作品の主人公・梅蘭芳は実在の人物で、京劇史における最大の偉人の1人である、不世出の女形だ。彼の波乱に満ちた生涯を綴った書籍が出版された。

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2009年3月7日より公開されている話題の映画「花の生涯―梅蘭芳」。中国の伝統芸能である京劇の世界を華やかに描いたこの作品は、同じく京劇の世界を描いた名作「さらば、わが愛/覇王別姫」のチェン・カイコー(陳凱歌)が監督を務め、国際派女優のチャン・ツィイー(章子怡)も出演したことで注目を浴びている。

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作品の主人公・梅蘭芳(メイランファン)とは実在の人物で、京劇史における最大の偉人の1人。中華民国時代に日本やアメリカでの海外公演を実現させ、京劇を中国の「国劇」として、大いに知らしめた不世出の女形(おんながた)である。市川猿之助(2代目)ら歌舞伎役者はもちろん、芥川龍之介やチャップリンとも交遊があったという。また、かの毛沢東が「あなたは私より有名だ」と言ったとの逸話も残されている。

これほどの文化人であったため、中国通なら誰しも名前は耳にしていようが、詳しくは知らないという方も少なくないだろう。そうした梅蘭芳の生涯を綴ったのが、「梅蘭芳(メイランファン) 世界を虜(とりこ)にした男」(加藤徹・明治大学教授著、ビジネス社)である。父親と死別した幼少期や、女形役者として向き合った変声期や結婚、芥川龍之介の称賛の言葉、また殺害未遂事件との遭遇など、舞台での艶姿の裏に隠れた波乱に満ちた生涯が、京劇や梅蘭芳にほとんど馴染みのない日本人読者にも分かりやすいように綴られている。

著者は「京劇」(中公叢書)でサントリー学芸賞を受賞。学生時代にはアマチュア京劇俳優・楽器奏者としても活躍し、プロの京劇俳優らとも交流してきたという、京劇を心から熱愛する人物である。09年現在、中国古典のエキスパートとしてTV番組でも活躍している。(編集/愛玉)

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