2009年3月18日、米コカ・コーラが中国の大手飲料メーカー、中国匯源果汁集団有限公司の買収を断念する可能性が浮上した。国内果汁飲料市場の4割以上を占める匯源果汁の外資による買収に、中国商務部が消極的な姿勢を示していることが背景にあるとされる。18日付香港・経済通が英紙「フィナンシャル・タイムズ」を引用して伝えた。

【その他の写真】

米コカ・コーラの全額出資子会社、Atlantic Industriesは08年9月、匯源果汁に完全買収を提案。買収対象は発行済み株式14億6881万株のほか、未行使となっている転換社債。買収提示価格は1株当たり12．20香港ドルで、買収総額は179億香港ドルとなる。

中国国内では外資による匯源果汁の買収に嫌悪感を示す市民が多い。中国大手のポータルサイト「新浪網」が9月4日に実施したアンケートでは、82％の人が「コカ・コーラによる匯源果汁の買収に反対」と答え、「中国経済の支柱となる大型民族企業が外資の買収によって消滅するのは好ましくない」などの反対意見が相次いでいた。

商務部による買収審査は今月末をめどに終了する見通し。（翻訳・編集/KS）