<レコチャ広場>日本の2大軽自動車メーカー、中国市場での明暗くっきり

Record China    2009年9月16日(水) 18時16分

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16日、レコードチャイナライターによる個人ブログ「全人類の中国分析2」は、成長を続ける中国の自動車市場で、日本の「2大軽自動車メーカー」のスズキとダイハツが明暗を分けている現状を紹介した。写真は2009上海モーターショーで公開されたスズキの新アルト。

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2009年9月16日、レコードチャイナ・ライターによる個人ブログ「全人類の中国分析2」は、成長を続ける中国の自動車市場で、日本の「2大軽自動車メーカー」のスズキとダイハツが明暗を分けている現状を紹介した。

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以下は同ブログから。

16日、スズキが中国で「新アルト」の販売を開始した。アルトといえば、日本人なら誰でも耳にしたことはある軽自動車の代表格だ。最近の販売台数はワゴンRには及ばないものの、30年の歴史をもち、「手ごろで乗りやすい」というイメージで広く受け入れられている。しかし、今回のアルトはちょっと様子が違う。「あれ?アルトってこんなに大きかったっけ」というのが第一印象だった。

乗ってみてまた驚いた。「広い!」運転席、後部座席とも巷のコンパクト・カーと肩を並べられるのではないだろうか。それもそのはず、この車は軽ではない。全幅が1600ミリ、全長も3500ミリあるという。内装も割りと高級感がある。「これで中国自動車市場でのスズキの地位は確立した」と思ったのはこの日だった。

中国にはスズキ系列のメーカーが2つある。その1つが長安鈴木だ。もう1つの昌河鈴木は不振気味だが、この長安鈴木は中国市場で確実にシェアを伸ばしている。成都商報によると、08年1〜11月の販売台数は11万7313台で前年比22%の伸びを示し(平均は7%)、四川省に限れば、SX4の販売台数が前年比167%増を記録、同省内で2番目に最もたくさん売れた車となった(ちなみに1位はフォードのフォーカス)。SX4の売り上げは09年になっても堅調だ。太平洋汽車網によると、6月には前年比88%増の4711台を売り上げたという。

長安鈴木では、新アルトの登場で「スズキ3兄弟」が揃ったことになる。すなわちSX4(ハッチバック/セダン)、スイフト、そしてアルトだ。スイフトも好調な売り上げを持続している。アルトはスズキの世界戦略車第5弾としての位置づけで、スイフト以上にコンパクトでありながら走りの性能と乗り心地の質感を最大限に高め、もはや昔のアルトの面影はどこにもない。アルトファンは「これはアルトではない」と言うかもしれないが、これが中国人にうける車だ。最近のスズキは、中国の消費者の心をつかむのが実にうまい。

さて、日本ではスズキと並んで2大軽自動車メーカーの1つであるダイハツだが、スズキとは対照的に、中国市場での成績は散々なものだ。「一汽吉林大発」のブランドから07年6月に販売を開始したセニア(森雅)は、当初目標の月5000台に遠く及ばず、ずっと毎月300〜500台のあたりを上下していた。そして15日付の広州日報によると今月、セニアはダイハツ(大発)ブランドを捨てて「一汽」での値下げ販売となり、事実上、ダイハツの戦略は失敗に終わってしまった。ただし、ダイハツはこれを「撤退」であるとはしていない。

ダイハツの中国市場からの失敗・撤退は今回が初めてではない。筆者も含めて90年代の中国に留学・滞在したことのある人なら記憶に残っていると思うが、町中にあふれていた「黄色い面包車」はすべてダイハツの車だった。そしてシャレード。シャレードは当時かなり普及し、今世紀になっても売れ続けている。しかしダイハツは早々と自社ブランドを捨て、「天津シャレード」としての販売に切り替えている。

スズキとダイハツの違いは何だろうか。それは「ブランドイメージ」の一語に尽きる。スズキの車は、SX4にしてもスイフトにしても、燃費が非常によく高品質、走りもすばらしいというイメージができあがっている。確かにある程度は当たっているだろうが、少なくとも燃費に関しては、実際はそれほどよくはない。翻ってダイハツはどうか。「ダイハツ」も「セニア」も、名前すら聞いたこともないという中国人が大部分だ。個人的にはとても良く出来た車だと思うのだが…。

スズキ車はインドでも50%近いシェアを維持している。驚異的な数字だ。アジアでビジネスに従事する者なら、スズキから学ぶことが必ず何かあるだろう。

■「全人類の中国分析2」は中国ニュースを材料に、情報を正しく解読することの大切さを伝える、あるレコードチャイナ・ライターのブログ。Livedoor Blogに掲載。

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